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#149「彼岸花」

移動の多い9月だった。毎週末、出張や旅行で県外に行き、地元を飛び出して過ごす時間が多く、改めて振り返ってとても充実していたように思う。そんな移動続きもあって、この1カ月はずっと疲労感との戦いでもあった。まず、睡眠時間が少ない日が続いてしまう。満足に長い時間寝ることができていない。そろそろ一日中家でゴロゴロする日を確保しなければ。10月のスケジュール候補がまた一つ増えていく。

昨日も帰宅が遅く、倒れるように寝てしまったので、昨日のことを少し振り返る。午前中のトレーニングマッチから午後は彼岸花の有名な埼玉の巾着田へ。広場一面に咲いた赤い花の集合体は、曇り模様かつ日が暮れる時間帯だったことも相まって、物々しい雰囲気をつくりだしていた。

彼岸花(ヒガンバナ)の花言葉は「悲しき思い出」「あきらめ」「独立」「情熱」だそうだ。彼岸という名の通り、夏の終わりに咲く花で、墓地などで見かけることの多い花であることが、その名の由来とされているらしい。毒のあるこの植物を食べた後には「彼岸」=「あの世(死)」しかない、ということに由来するという説もあり、良いことを想起させる花ではない。

彼岸花は別名が多いことで知られており、なんと1000以上もあると言われている。中でも一番多く耳にするのは「曼珠沙華(マンジュシャゲ)」で、昨夜のイベント暖簾にもこのワードが記載されていた。曼珠沙華は、法華経などの仏典に由来し、梵語で「紅色の花」を意味すると言われている。また、サンスクリット語で「天界に咲く花」「見る者の心を柔軟にする」というポジションな意味も併せ持つ。「赤い花」「天上の花」として、めでたい兆しとされることもあるのだとか。

彼岸花講座が長くなってしまったが、日本語ではお彼岸という人の死を連想させるこの花も、見方を変えれば死後の世界では人を見守るための意味を有することで、どこか希望の光が見えるような気がする。だからこそより一層儚さを持って咲いているように感じたのだろう。

春に咲く桜のような柔らかさや、夏に咲く向日葵の元気さ、無邪気さとは異なる系統の花かもしれない。秋といえばこれから秋桜の季節にもなる。それでも、猛暑だった夏の終わりから秋の始まりにかけて開花を迎える彼岸花には、彼岸花特有の魅力がある。夏の終わりに、自らのこの夏の思い出を振り返るためにも、ぜひ彼岸花を見に行ってほしい。普段鑑賞する花たちとはまた違った感情に出会えるだろう。

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