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夏の会津若松旅行(7/29-7/31)

7月29日(月)
待ちに待った旅行初日。前日に買っておいたサンドウィッチを手に新幹線に乗り込む。車内では最近あまり書けていなかったnoteの記事をスマホで書いた。郡山駅から乗り換えて1時間と少し、意外とあっという間に会津若松駅に到着した。駅に降り立つと、まず涼しさに驚く。幼少期の頃に味わったような心地よい夏の気温に胸が高鳴る。

お気に入りのぬいぐるみたちも旅行に参加

レンタカーを借りて、まずは夫の希望で「うえんで」という有名なラーメン屋さんに向かう。すでに行列ができていたものの、関東と違って涼しいので待つのも苦にならなかった。私は山塩ラーメンを注文。山のお塩なんて珍しいねと話しながらスープを啜ると、その純度の高さに驚く。あっさりとしたスープに対してチャーシューには程よい脂が乗っており、とても美味しかった。夫が微笑んでいるので彼の目線の先をみると、目の前に座っていたお子さんがラーメンを食べきれなかったようで、お父さんが口をいっぱいにしながら頑張って平らげていた。心の中でお父さんを応援し、店を後にする。

ほうとうのような食感の極太ちぢれ麺が美味しかった

お次は鶴ヶ城へ。敷地内に入ると緑が一面に生い茂っており、癒された。城の中は階ごとに歴史を辿れるような仕組みで、前知識なしで行っても楽しめた。途中、雨がパラパラと降り始めていたが曇り空が城の荘厳さを助長しており、迫力のある写真が撮れた。敷地内には実際に使われていたお茶室や赤べことの記念撮影スポットもあり、大満足の時間を過ごすことができた。

圧巻の迫力の鶴ヶ城

鶴ヶ城でたくさん歩いたので、次は私が兼ねてから楽しみにしていた喫茶店「会津壹番館」へ。野口英世の記念館が併設された建物で、入り口には「英世青春館」の文字が。店の中は大きな蔵のようになっていて、自分好みの老舗喫茶店の雰囲気だった。私は会津のはちみつ紅茶を、夫はアイスコーヒーを注文。イラストが描かれているマグカップがなんとも言えぬ可愛さ。しかしこれは英世なのか誰なのかは全くわからない。平日だったこともあり人が少なく、とても居心地がいい店内。二人ともおもむろに本を取り出し、夫は『暇と退屈の倫理学』、私は『水中の哲学者たち』を読む。彼と出会うまでは読書は一人でするものだと思っていたが、こうして並んで読書をする時間が今ではとても好きだ。帰りにお土産用のコーヒーと自分用のトートバックを購入。

家の近くにあったら確実に通っていた

喫茶店を出ると少しお腹の調子が悪くなった。夫は私が何も言わなくても口数が少なくなったことで察してくれたらしい。車の中で整腸剤を飲んで、今夜のホテルへ向かう。だんだんと調子が戻り、道中では平成懐かしソングをかけた。親が昭和を楽しむように、私たちは平成を楽しんでいる。本日泊まるのは「丸峰観光ホテル」。入り口すぐの巨大なシャンデリアに圧倒されながら手続きを済ませる。自分で予約したものの、あまりにも広い館内に驚く。夫が今まで見たこともないくらいテンションが上がっていて、なんだか嬉しかった。部屋に入ると、念願の客室露天風呂が待っていた。眼下には木々の合間から川が流れており、自然を独り占めできそうだった。

絶景露天風呂

まずは大浴場でさっぱりした後、夕食会場へ向かう。バイキングに加え、今回は馬刺しがもらえるプランにしていたのでテーブルの上が豪華になった。ライブキッチンが三種類もあることにはしゃぎながら、天ぷらやお寿司、ステーキなどを手に取る。東北名物も目白押しで、工藤玲音さんの短歌で気になっていた盛岡冷麺もあった。甘めの味付けが優しく、添えられたりんごも合う。味変で馬刺しについていた辛味噌を混ぜたら昇天しそうになった。

噛めるひかり啜れるひかり飲めるひかり祈りのように盛岡冷麺

工藤玲音

たくさん食べた後は、ラウンジで一休み。照明を暗く落としたジャズバーのようなラウンジでカモミールティーを頂く。美味しいものを食べて、ゆっくり過ごして、ずっと今日が続けばいいのになと思うひと時だった。

星空の下にいるみたいな空間


7月30日(火)
旅行二日目。少し早めに起きて、客室露天風呂に浸かる。程よい熱さの温泉が寝ぼけた身体にしみる。山間から聞こえる虫の声に夏を感じた。身支度を済ませた後は、いざ朝食バイキングへ。よく人とバイキングに行くと「元を取らなければ勿体無いよ」と言われ、一人前以上食べられない私はいつもたくさん食べれなくて、なんだか毎回後ろめたい気持ちだった。しかしこの旅で料理を一つずつ味わってニコニコ食事する夫を見ていると、バイキングは好きなものを好きな分味わえるからこそ楽しいのだと再認識できた。

色鮮やかな朝食

手作りオムレツや朝カレーなどを味わった後は、部屋に戻ってのんびりする。自宅にはスマートテレビしかないので、民放は久々。夫は『ラヴィット!』を初めて観たらしく、朝からバラエティがやっていることに驚いていた。暫しゆっくりしてからチェックアウトし、本日の目的地である大内宿へ車で向かう。大内宿は小学生の時に訪れたことがあったものの、白川郷に行った時と思い出がごっちゃになり、断片的なネギそばの映像だけが頭にある。夫の運転で大内宿に到着すると、羽織ものが必要なくらいひんやりとしていた。早くもここに住みたくなる。敷地に入ると伝統的な茅葺き屋根の民家が並ぶ。まさに鬼滅の刃の世界観である。大きな縁側に腰をかけたおばあさんたちが、観光客に声をかけてくれる。赤べこや日本酒など様々なものが売っていたが、一番人気のありそうなのは漬物屋さんだった。試食ができるとのことで二人で店を覗くと、なんと商品棚に猫が丸まっていた。

みんなに撫でられても平気そうな猫

猫の可愛さも相まって店で青唐高菜のりを購入した後は、大内宿の奥にある高台の神社へ向かう。少し高い位置から見下ろすと江戸時代にタイムスリップしたような町並みが広がっていた。記念写真をたくさん撮った後、お腹が空いてきたのでネギそばを食べに「三澤屋」へ向かう。お昼時に行ったのもあって40分待ちとのこと。たくさん歩いて疲れていたのもあって店内の待合スペースでのんびり待つことに。夫と話したりして待っていると、店員さんの心遣いで思っていたよりも早く入店することができた。周りの人は天ぷらも注文していたようだが、私たちはネギそばのみを注文。到着したネギそばは麺の量が多く、天ぷらなしでも十分お腹いっぱいになるボリューム。ネギを箸の代わりにして食べようとするも、ネギ=薬味のイメージが先行して一口目で齧ってしまった。気を取り直して箸で食べたが、辛味のあるネギと太めの麺がマッチして癖になる美味しさだった。腹ごしらえをして大内宿を後にする。

夏でも過ごしやすい場所だった

お次は会津さざえ堂に向かう。駐車場には遠足できた中学生たちもおり、有名な建造物であることを実感する。いざ近くに行くと数えられないほどの階段があり、迷わずその横にあった有料エスカレーターで楽をして登ることにした。山の上まで登ると、白虎隊の墓場が並んでいた。以前広島の原爆ドームに行った時も身体が重たくなったが、ここは自害した人が多いからか同様の感覚がした。あまり写真を撮らずにさざえ堂に向かう。近くのお土産ショップに入ると、地元の作家さんが作ったと思われるアロマキャンドルが。トイレに飾るのにいいかもと思い、購入した。ふと気がつくと夫が汗だくで辛そうにしていた。風通しの良さそうな場所で一休み。彼は半袖の上に一枚多く着ていたので「暑いならそれ脱ぎなよ」と言うと、「だって写真撮るかなと思って…」と女子高生のようなこだわりを見せており、笑ってしまった(お気に入りの服だったそう)。健康第一なので羽織を脱いでもらって、さざえ堂に登る。行き道の人と帰り道の人がすれ違わないように工夫された建築で、外から見るとぐるぐる巻きの塔みたいになっていた。会津が一望できる景色に見惚れ、帰りに山頂から写真を撮る。

ちょうど晴れ間が見えた

階段を降りた先に「アカベコランド」というセンスのいいお土産屋さんがあったのでお互いの職場や家族へのお土産を調達する。三日目に時間が余ったら買おうかなと思っていたが、まさかさざえ堂で買えるとは。暑くなってきたので、自分たち用に最中アイスも買って車に戻る。記念にツーショットを撮ろうとすると、夫はいつも変な顔をして見せる。またかと思っていたら、「次は君の好きな顔してあげるね」と言って真面目に写って見せた。どれどれと確認するとまさしく自分の好きな顔をしており、悔しくなった。車を走らせて、今日も早めにホテルへ向かう。今夜泊まるのは「星野リゾート 磐梯山温泉ホテル」だ。スキー場の目の前にあるホテル内には、日本酒のバーや読書スペースなどもあり、アクティビティが充実している。中でも私が気になっていたのは赤べこと起き上がり小法師の絵付け体験だ。荷物を部屋に置いた後、すぐにアトリエスペースに向かうと誰もおらず、貸切状態だった。起き上がり子帽子は大好きなおにぎり風にし、赤べこはベーシックなデザインに仕上げる。夫が細かな塗り作業、私が顔やデザインなどを担当し、それぞれの特技を活かしたおかげで可愛い置物を作ることに成功した。私の趣味に付き合わせてしまったが、夫がものづくりにすっかりハマっており、二人で楽しいひと時を過ごせた。

こういうのはシンプルなデザインが一番

集中して一汗かいた後は温泉へ。軽く浸かったあと、待ち合わせの広場に行くも、夫がなかなか来ない。何回かLINEを送るも既読にならず、探しに行こうかと思案していたら顔を赤くした夫が小走りで向かってきた。心配したことを伝えると、「ごめん、サウナで2回ととのってた」とのこと。普段サウナに入らない夫だが、水風呂とサウナを繰り返してととのう喜びを知ってしまったらしい。まだ火照っている夫を連れて、バイキング会場へ。わっぱ飯や味噌田楽などの和食も並ぶ中、アイスにはオリーブオイルをかけるのが勧められるなど、洋食の新しい楽しみ方もできそうなラインナップ。私はニョッキやマグロのオリーブオイルがけ、明太子と大葉のペンネなど洋食に虜になり珍しく何度もおかわりをした。

第一周目に持ってきた料理

食後は20時半から広場で盆踊りをやるとのことで、夫と向かうことに。すでに踊り方の説明が終わった後だったが、仲間に入れてもらえた。側から見ると単純に見えるがこれがなかなか難しく、人の動きを真似ているうちに終わった。それでも久しぶりに夏祭りの気分を味わえて、心から楽しむことができた。一方夫はダンスの才能を発揮しており、アイドルみたいな可愛げのあるアレンジされた振りで軽快に踊っていて、中々面白かった。彼は元々宿泊施設にお金をかけずに観光を楽しむタイプだったが、星野リゾートのアクティビティを気に入ってくれたらしく「またこういったところに泊まりたい」と話してくれた。

7月31日(水)
旅行三日目。今日も朝食バイキングがあるので、会場へ向かう。夏休みのため家族連れも多い中、二人でゆっくり食事をする。炊き込みご飯や種類豊富なパンなどを順に手に取りながら周っていると、饅頭の天ぷらなるものを発見。恐る恐る口にすると、揚げアイスみたいな美味しさが口いっぱいに広がる。お土産にあったら迷わず買うレベルで美味しかった。朝食を堪能した後は、自分たちでお茶が作れるコーナーへ。お気に入りの葉っぱを選んで、自分たちで擦っていく。葉が細かくなったらお湯を注いで、砂時計で3分待ったら出来上がりだ。私は赤しそと百日紅を混ぜたところ、しその香りがふんわり漂う美味しいお茶が完成した。まったりお茶を飲んでからチェックアウト。私たちが駐車場に出た後もホテルの方が大きく手を振ってくれていて、サービス精神が素晴らしいなと思う。車で山道を走りながら、今日は夫が行きたいと言っていた五色沼へ向かう。五色沼にはまだ紫陽花が咲いており、真夏とは思えぬほど涼しい。午前中に行ったこともあってほとんど人がおらず、草むらを歩きながら青緑色の湖を眺めることができた。そよそよと風に吹かれてベンチに腰掛けていると、あまりにも過ごしやすい気温でここに移住したい気分になる。今度は近くにあった諸橋近代美術館にも足を運びたい。

絵画の中のような景色

自然を目に焼き付けた後は徐々に会津若松の街に戻る。道中、夫が調べてくれた「Hero's Diner」で昼食をとることに。アメリカンな店内には犬を連れている人もおり、柴犬に癒された。夫も私も会津桜バーガーとポテトを注文。今まで食べたハンバーガーで一番大きなパティは、まるでステーキのよう。食べ応えがありながらもカリカリポテトにも手がのび、交互に味わいながら無事に平らげた。

見たことないくらい大きなハンバーガー

お昼を食べた後は時間があったので、スタバが併設されているTSUTAYAに向かう。旅先でも本屋に行きたくなるから、読書好きの夫で良かったと思う。広々としたTSUTAYAは蔵書数も多く、気になる本をチェックできた。最寄りの混んでいるスタバとは打って変わって、ここのスタバには空席がたくさんあった。レンタカーを返す時間まで、お茶をしながら読書をすることにする。カウンターで注文しようとすると、どこから来たのかを聞かれた。軽装で入ったのに、旅行客を見分けるスタバの店員さんはすごい。ゆったりとした空気で読書も捗った。

TSUTAYAとスタバの組み合わせに間違いはない


お互いの行きたいところを巡りながらも、かなりのんびり過ごせた会津若松旅行。夏の東北は涼しく、また来年の夏も避暑地へ旅行したいねと夫と話すことができた。日常に戻るときっとまた選択の連続だけど、今回の旅を通して「大事なことは自分の勘が教えてくれるかもしれない」と思えた。その勘は、自然に触れたり美味しいものを食べたり、文化的なものに触れることで養われるような気がしている。だからこそ、時に喧騒を離れて心の向くままに旅をしてみることが必要なのだ。

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