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私の色

「私の周りは黄色の人が多いんだよね」
あ、私としたことがうっかり口に出してしまった。大学の友人といつものように世間話をしていて、油断していた。
ああ、なんて言い訳しようか。

色で分類される世界

私は小さいころ、世界中の人は「色」で分類されているのが当たり前だと思っていた。
相手に興味を持つと同時にその人に色が付く。オーラみたいに。ずっと見えるわけではなく、ほとんど最初の1,2回だけ見えるのだ。

当たり前ではないという事実に気づいたのは中学生の時だった。
思春期で荒れている子をどのように対応するか迷っている担任の先生に「あの子は今かなりオレンジだからしょうがないですよ」って言ったら「何がオレンジなの?」と首を傾げられた。
その時なんて返したのか全く覚えていないのだが、当たり前ではないということ、妙に納得した。
小学生の頃は色が見えても気にしていなかったが、中学生に上がり「色」について考えるようになって色には法則が隠れていることに気が付いた。
大きく分けて、「赤」「青」「黄」がベースにある。彩度とかまざっている色は微妙に違うが大体この三色だ。
「赤」が入っている人は、特別な何かを感じることが多い。(自分の軸がはっきりしている人とか)実際にあまり会うことはない。
「青」が入っている人は、世にいう変わり者でマイペースの人が多い。
「黄」は、情に厚い人が多い。
そこまで正確な分析ではないので、その時の感じ方次第でもある。
先ほど出てきた「オレンジ」は、軸がブレブレで情緒不安定気味の子によく見える色。でも落ち着くと「黄」に変わったりする。
何度か色が見える人がいる。多分、価値観の変化がみられる時なのだと勝手に思っている。

はじめまして

そう、はじめましての時はかなり得をしていると思う。色を見て、「あ、この人とは仲良くやっていけそう」と思って近づける。
でも一つ問題があるとすれば、オレンジ色の人に好かれやすいということだ。オレンジ色の人は気が強いし、人を振り回すような人ばかりなので私はすごく苦手としている。
オレンジの人は、黄色に変わることもあればずっと変わらない人もいる。正直、関わるのは賭けでしかない。
冒頭でも言った通り、私の周りは黄色の人が多い。しかも春の日差しみたいな優しい淡い黄色。みんなすごく優しい。
現に私の幼馴染はオレンジから黄色に変わっている。
黄色に変わる可能性があるなら、、、と渋々関わっていると高確率で私が痛い目に合う。あんまり活かせてないのが悔しい。
個人的に好きなのは青色の人だ。青色の人は見てて、話していて飽きない。
特に、青色といっても少し黄色の入った浅葱色みたいな色の人は「変な人」なのにどこか人が好きで優しさを感じられるから好きだなぁと思う。まあ、マイペースなんだけど。
赤い人と会う機会はあまりないが、覚えている限りだと三人いる。
どの人もかなり頭がいいし、面倒見も良くて私はよくお世話されていた。
なぜか将来結婚するのは赤い色の人なんだろうなと昔から確信している。不思議だ。

私の色

私の色って何色なんだろうか。実は全くわからないで生きてきた。
私は今まで色んな経験をしてきた。たくさんの挑戦をしては失敗し、でもそこから多くのことを学んだ。
それと同時にたくさんの成功体験もしてきた。
大切にしていた友達にいいように使われて傷ついたこともある。
辛い時に手を差し伸べてくれた友達もいる。
くだらないことで何時間も笑い合える友達が歳を重ねるごとに増えている幸せを感じる日々。
21年間。私は、神様に見放されているなぁと感じることがよくある人生だった。
大事な時に必ず何か大きな出来事が起こり、私を憔悴させる。
きっと今後もそんなことが付きまとう運命なのだろう。
どんなに雨が続いても、必ず晴れの日が来るように辛いことはそう長くは続かない。
私は身をもって知っている。

そんな私を表す色。
いつかわかる日が来るのだろうか。

人生いろいろ

冒頭の私は、嘘をつくわけにも行かず正直に話すことにした。
引かれるか、笑われるかこの2択。 

「え、ずるい!人生チートすぎる!ていうか面白すぎる!詳しく教えて!」

予想の斜め上の返答にこっちが引いたのは言わないでおいた。
実はかなり前、彼に一つ質問をしたことがある。「私は何色だと思う?」って。

彼は「宵ちゃんは色で表すより花って感じ。宵ちゃんの周りにはいつも人がいるし、明るいんだよ。自信持って立ってる感じとかもさ、花みたい。」とサラッと答えた。
浅葱色の言うことはやっぱり変わってる。でも面白い。

なんだかワクワクした。私は他人を色で表現できるけど、他にも色々あるんだなぁって。
そうそう、だからこの話を信じるか信じないかはあなた次第。
フィクションなのかノンフィクションなのか、それは秘密。
人生は楽しんだもん勝ち。モノクロな世界に色をつけたもん勝ちなのだ。 

私の世界は彩りで溢れている。

春キ宵

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