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そもそも論文ってどうやって探したらいいの?

こんにちは。遥風です。

私は絶賛理系大学院生であり、毎日学校に行って実験をする日々を過ごしています。


研究室に入ってやるようになったことのひとつが「論文検索」。

「英語論文を読むこと」も、もちろん大変なのですが、最初のうちは「その論文にどうやってたどり着いたら良いのか」に頭を悩ませていたような気がします。

修士2年になり、ようやく心理的負荷なく論文が探せるようになってきたため、コツをまとめてみます。


「有機合成、ときどきバイオロジー」分野所属の理系大学院生verです。

最後には私が普段目を通しているジャーナルについても紹介します。

研究テーマが近い、論文の迷い子たちに届いてくれたら嬉しい。




① 論文検索の目的



ひとくちに論文検索といっても、目的によって大きく2つのパターンに分けられるのではないかと考えています。

1つ目が、先例研究、実験条件などを調べる場合。

2つ目が、分野の勉強または最新のHOTな話題を調べる場合。


私は、1つ目についてはGoogle scholarで、2つ目については各ジャーナルのページから検索しています。

以降で、それぞれの使い方と使い分けについて、もう少し詳しく説明します。



② 先例研究、実験条件などを調べる場合



キーワードからジャーナルを問わず広く文献を検索したい場合です。

私は「Google scholar」を使って検索しています。

ジャーナルには、「impact factor」と呼ばれる指標があり、値が大きいほど影響力が大きいジャーナルといえます。ハイインパクトなジャーナルとしては、NatureやScienceが有名ですね。


普段実験をしていると、「どの細胞種を使うのがいいんだろう」、「試薬の濃度やインキュベート時間ってどのくらいが適切だろう」といった疑問が生まれます。

こうなると、ジャーナルのインパクトファクターはさておき、自分がやりたい実験とできるだけ似たような検討について知りたいものです。

こういう時は、Google scholarが便利です。

(有機分野のみなさんは、Scifinder一択でしょうか笑)

使い方は、普通のGoogle検索と同様で、検索欄にいくつかキーワードを入れると関連する文献がヒットします。


こうやって調べた論文は、文献管理ソフトで管理すると便利ですよ!私の推しは「Zotero」です。
↓↓↓


また、自分の研究報告と重なるような論文がないかについても、ときどき検索しています。

扱うテーマが近ければ勉強になることもありますし、場合によっては自分の研究の新規性が脅かされることにもなりかねないので、、、笑


私も一度、「え、自分の研究テーマの論文かな?」というほど親近感のある論文がヒットし、「こんな論文見つけたんですけど、、、」とおずおず先生に見せに行った経験があります笑。
(結局、自分たちのテーマはそのまま続行しましたが。)


おまけですが、論文を読んでいてreferenceの論文に飛びたいときも、タイトルをコピペしてGoogle scholarで検索してしまうことも多いです。




③ 分野の勉強または最新のHOTな話題を調べる場合



やはり傾向としてハイインパクトなジャーナルの論文が読んでいて面白いし、勉強になるなと思います。

そのため、実験ベースの情報収集ではなく、自分の勉強のための論文を探すときは、各ジャーナルのページから検索します。

研究室とかであれば、当番制で論文紹介がまわってきたりしますよね。そのような時に紹介する論文もこの方法で探します。

ジャーナルの種類については、研究分野にかなり依存すると思います。ぜひ、研究室の先輩などに聞きましょう。その際に、どんなキーワードで検索をかけているかについても聞いておくと良いですよ!


また、こういった検索は、デフォルトではrelevanceでソートされた結果が表示されることが多いです。

そうすると、いつのだよ!みたいな論文が検索上位に出てくることもあるので、新しい論文を読みたいときは、”date”でソートをかけましょう。


ここで、有機ときどきバイオロジー分野の私がよく見るジャーナルを3つ紹介します。参考までに。

  1. JACS

まず、ジャーナルのページが見やすい。検索もしやすい。笑
そして、比較的わかりやすい論文が多いです。論文紹介等でも、とりま最初の頃はJACSで探すといいよ、みたいな雰囲気あります。笑

2.Nature

超有名雑誌ですね。知っている人も多いでしょう。

こちらも比較的検索しやすいです。

JACSもそうですが、検索結果の画面に英語タイトルだけではなく、画像も掲載してくれているのがとてもありがたい。

英語タイトルだけだと、パッと内容が理解できなかったり、そもそも“読んでみたい“好奇心が刺激されないので苦手です。

JACSと比較すると、論文の難易度が上がると言うか、データ量が増えるような印象です。

私は、少し論文を読むのに慣れた頃から、よく見ています。

今では、Nature姉妹誌から論文紹介に使う論文を探すことが多いです。

3.Angewandte

最近注目しているジャーナルです。ドイツ化学会です。

ジャーナルのページが少し見にくいなあと思ってしまうのですが、面白い論文も多いです。

あと、ジャーナル名かっこよくないですか?笑


ちなみに私は、これらのページを、まとめてGoogle chromeのブックマーク登録をしています。




最後にまとめると、

【Google scholar検索】

  • 実験条件の検索

  • 自分の研究に直結する論文の検索


【ジャーナルごとに検索】

  • ハイインパクトな論文を読む、勉強する

  • 研究室の論文紹介で使う論文を探す


といったところでしょうか。


「論文を探すこと」、「論文を読むこと」、どちらも最初はハードルが高いと思いますが、慣れです。笑

先人たちの知恵を余すことなく、効率よく吸収できるよう頑張っていきましょう!!

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