マドリッドのとある理系研究者の生活

日本で理系の研究者の生活のイメージと言えば、毎日夜遅くまで研究室で実験をして、土日もあまり休まず論文を書いてる、というイメージ。

ところがマドリッドで出会った理系研究者の生活は、全く違った。彼と私は同じピソのメンバー。2018年8月から11月前半までの3ヵ月半、他のメンバーたちも一緒に、ピソに住んでいた。

スペイン語で”piso”とはマンションのこと。スペインでは”piso compartido(共有されたマンション)”と言って、日本で言うなら「シェアハウス」のような感じのマンションが一般的。キッチン・トイレ・シャワーは共同で、寝室は各自の個室。スペインでは一人暮らし用のアパートなどが少なくて、割高だから。

彼はスペイン南部の出身で、30代前半。地元の大学を卒業したあと、その近くの研究所2カ所で働いたあと、2年くらい前にマドリッドの研究所に移ってきたそう。

一度、彼の研究内容を話してくれたんだけど、私には全く理解できなかった。実験とか、何かを作っているのではなく、パソコンで基礎的な理論の計算のようなことをしているらしい、ということだけはわかった。

彼の平日は、朝7時45分ごろ起きて、パンと牛乳の朝食。8時15分ごろ出発。研究所までは自転車で20分だそうなので、着くのは8時35分ごろかな。帰宅は17時半ごろなので、17時過ぎには退勤しているんだろう。そのあとは近所のスーパーに歩いて買い物に行き、夕食を作って食べる。それ以外はパソコンでゲームをしていたり、動画を見ていることが多かったな。

土日は完全にお休みで、職場に行くのは見なかった。ゲームがものすごく上手らしく、一度は「大会に招待されたので、行ってきた」と言っていた。

そうそう、1年間に4週間の休暇があるそうで、8月の2週間は実家に帰省していたよ。

「日本では理系の研究者たちは夜遅くまで働くことが多いと思うけど、スペインでは違うの?」と聞いたら、「よっぽど急ぎでやらなきゃいけないことがあれば夜遅くまで働くけど、そうじゃなければ次の日さ」と。

私が出会ったのはたった一人の研究者だけど、こんな働き方もあるんだな、と驚いたよ。

ありがとうございます! 今後のスペイン語学習のために使わせていただきます!