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今日の言葉#3花序(inflorescence)。待つという贅沢。

人間も本来そうだった筈なのだが、犬というのは、見ていると、かなり完結した生き物だ。

犬であることに完全に満足していて、要求があるときの伝達方法も明確だ。

喉が渇いたのに水が無ければ、器を咥えてパンっ!と落とすし、私らが食べているものが食べたければ足元に来て「くれ」と言う。もらえる時ももらえない時もあるが、それゆえに恨む様子はなく(ぶーとは言う)、そのうちに諦めて眠る。

最近は(3月1日からこのかた)、たった1人で残されるという犬生最大の不幸もないから、この完結ぶりには磨きがかかり、彼女の人生には、恋焦がれる猫との解決し得ない距離以外、一切の悩みはないように思われる。

人間が学ぶべきは、その「待ち」の姿勢で、散歩に行くよと声をかけながら、あ、書かなきゃいけないメールがあった、だの、クリニックでアポとらなきゃ、だの、マスク忘れた!だのでいつまでたっても散歩に行かない人間をずっと待っている。その「待ち」の姿勢は完璧でプロフェッショナルだ。

我々もやれやれいつになったら収束するのかと待っているのだが、考えてみればこれは、とても贅沢な時間だ。人生こんなに時間があったことはないし、待ってる暇も余裕もなかった。

そういう誘惑のない状態で「待てる」

みんな待ってるから何の良心の呵責もなく、運命共同体で「待てる」

待っている時ほど味わい深い「今この瞬間」はない、という思いで「待てる」

バス停まで歩いて行って、お姉ちゃんを乗せたバスを待つ弟みたいに「待てる」

犬はいくら時間がたっても、ただ待っている。何故なら散歩に行けなかった日は1日たりともないからだ。

明けなかった夜が無いように…。

今日台湾ホトトギスの写真を撮ったことで、花の名前が分かるアプリで「散房花序」という言葉を学んだ。「花序」とは花が花を着ける順序らしい。

待っていれば、以前のようにサクッと順番が回ってきて、また花を咲かせることがあるだろう。

・今日の可愛い仕草:
口を半開きにして「か」と「ハ」の間の音を出してお腹を出す。視力テストのcみたいな形に、頭と尻をくっつけて丸くなったと思ったら、くるんと裏返った。

振動がないって聞いて帰ってきたのに、しっかり工事は進められている。うう・・・。

昼:エビと卵のチャーハン、(「辛い。胡椒入れすぎじゃない?」「カンボジアで買った胡椒だと聞けば、ちょっとはましになりませんか」「ならない。ポルポトのことを思い出して余計涙が出ちゃう。」)

夜:餃子(味の素冷凍餃子。昔の調理方法にダウングレードできないのかな。羽なくていいから。)、豆腐とインゲンのお味噌汁、厚揚げと大根おろしの煮物、昨日の無限唐揚げの残り