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「そばが好きなんですか?」という問いへの答え (展示裏話と、次回あそび場告知)

そばは好きです。
うどんとどちらが好きかと訊かれたら大いに悩みますが、
今の気持ちではそばが一歩リードです。
店で選ぶなら天ざるそば。冬はまた別。

タイトルに書いた質問を、展示中に10回くらい訊かれました。
無理もないと思います。
なんせそばが出てくる短歌がふたつ展示してあったので。
ちなみに本の中にはさらにもうひとつ出てきます。

『異界への入り口である富士そばで人類のふりしている店主』

展示したのは以下。

『永遠の仲間はずれを抱き止める霧の向こうの立ち食いそば屋』

『ジョークへのうまい返しがわからないメタバースでも富士そばへ行く』


誰が見てもそば好きだよねこれ。
そばっていうか、富士そば好きだよね。

そば屋をたくさん書いたのは、ある部分では意図的で、ある部分では無意識です。
なぜそば屋をたくさん書いたのかというと、
ラーメン屋や牛丼屋にはない、宇宙を感じるからです。
やばいね。
ラーメンの奥深さは宇宙だろ!とかそういう話ではないですよ。


でも、「そば屋ってなんか宇宙だよね」って言ったときに、
「なんかわかる」って人がいたら、その人とはたぶんあまり会話しなくても分かり合えるなという気がする。

短歌はたった31文字の世界なので、そこにどれだけの広がりを持たせられるかと考えたときに、私の中で「富士そば」とか「立ち食いそば屋」が結構な広がりワードだったんだと思います。
さっきも言った通りそばは好きです。でも、実際は立ち食いそば屋にはほぼ行かないというところがポイントな気がします。ラーメン屋は行く。牛丼屋もひとりで行く。でも立ち食いそば屋には行かない。
富士そばは好きですがカツ丼を食べます。

立ち食いそば屋って、許された者しか入れない神聖な何かがあるような、
特別な言語圏があるような、その感覚が多分、
「人類のふりしている店主」に繋がるんだと思う。
で、そこに行く人はみんなその秘密を知っていて、異界の出入りをしている。SF的壮大な何かがあるっていうのとはまた違うんだけど。

だから、すっと立ち食いそば屋に吸い込まれていく人の背中は、
私には「永遠の仲間はずれ」に見えて、それは現実世界だろうとメタバースだろうと多分変わらない。


よくよく見たら、展示した短歌にやたらと食べ物が出てくる。
とんかつ、冷凍パスタ、たまごサンド、焼肉、ショートケーキ、定食。
その謎についてはまだ言語化できていないのでもう少し自分で咀嚼してみます。

このパネル、将来焼肉屋さんをやる予定という方が購入してくれて、本当に作ってよかったと思いました。
もし開店して壁に飾ってくれる際は、お店に行って、
「馬鹿みたいに高い」の部分に横線を引いて
「馬鹿みたいに旨い」と上から書き換えるので、呼んでくださいね。


展示終了の翌日に、ECサイト「雲居雑貨店」をオープンして、そちらに売り切れていないパネルは全て掲載しました。(写真歌集はありがたくもあっという間に売り切れてしまったので増刷するか検討しています、突っついてください)

せっかくなので、全パネルに一言ずつコメントを載せてます。
短歌の、ちょっと違った読み方ができるかもしれません、覗いてみてください。(良ければ買ってください、飾るとかわいいよ)



10日間の展示と初のソロ企画ライブ
ご来場いただいた皆様本当にありがとうございました。

と言ってもまだ全然終わっていなくて、会場でご注文いただいたパネルの作成や通販で買っていただいた写真歌集の発送など、これからが大変だなあと思いながら疲労に負けてる状態です。
少しお時間いただくかもしれませんが、どうか気長にお待ちくださいませ。

思いついたことはとりあえずやろう〜
って感じの日々です。
というわけで間髪入れず次回告知します。

■2022/10/10(月祝)下北沢SPREAD
『SYNCHRONIZE』
”社会生活のあらゆるしがらみから抜け出すことを目指す、ストレスフリーでフィールフリーなスリーマンライブ。”

かれこれ十年お世話になっている、安原兵衛さんプロデュースYUP YUP、そして超グッドミュージックFENNEC FENNEC
今度はこのメンバーで面白いことします。

https://tiget.net/events/202630
お付き合いよろしくお願いします!新グッズあるかもです。

協力してくれた方全員に感謝!
今回出会ってくれた人、また遊びましょう。


読んで下さってありがとうございます。思考のかけらが少しでも何かの役に立ったなら幸いです。