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あの日から

あの日からわたしの心はとまってしまったようだ

月日が流れてもきみを想う気持ちは消えなくて

「時が解決する」

なんてどこかで聞いた言葉は役に立たない


きみは前に進んでいるのに

ぼくだけトキがとまってしまったようだ

あの日の景色

風の音

きみの空気感がぼくを離さない


夕日を見て1日が終わるのを感じる

薄暗くなる部屋の中で

今日もなにもできなかった虚無感に襲われる


美しいもの

美味しいの

心になにも震えなくなった


泣いてもなにも解決しないのに

連絡を取る勇気はない

その行為が惨めすぎるから


あの日から世界は色がなくなってしまった


相変わらず月日は流れる

お腹が痛くなるほど爆笑したことは覚えているが

いつしかぼくはきみの笑い声を思い出せなくなった


まだ立ち止まることはあるけれど

涙が頬をつたうことはあるけれど

過去に生きようとは思わない

ぼくは少しずつだが進んでいるようだ


好きだった食べ物が美味しく感じなくなった

お気に入りだった服が似合わないように感じた

あのときの自分とは確実に変わったことを

ぼくの心が教えてくれる


きみの瞳

優しい手

わたしを守る心は次第に書き換えられた

周囲の優しさにふれ

以前より凛として強く生きる姿勢が

ぼくの脳裏に映る


愛していたきみを完全に忘れることはないけれど

人生の思い出としてともに歩むことを決めた


世界の色はきみといるときとは違うけれど

新しい色をつけてきた

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