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夕焼け色を探した日

娘は夕焼けを見るのが好きだ。

保育園の帰り道、
橙色に染まった空を見つけると、
あ、夕焼けだよ!
と必ず教えてくれる。

帰り道の西の空は、毎日、毎瞬間、刻々と異なる色合いをしていて、
いつも、
あの色は何色?
うーん、なんていう色だろうねー、きれいねー
なんて会話しながら、家に帰る。

昨日は、
「お空、なんでむらさき色なの?」と聞かれたので、
「お空の青と、太陽の赤が混ざって、むらさきになるんじゃない?」
と教えてあげた。

われながら、非常にまっとうな答えだと悦に入っていたところ、
家に帰ってからが大変だった。

ただでさえ疲れてるのと忙しい時間なのに、娘は食卓のテーブルに絵の具を広げ始めたのだ!

なぜ!今この時間に!

聞くと、赤と青が混ざると本当に紫になるのか調べたいのだという。

しかも、絵の具はみつけたものの、うちには絵の具用の水差しも絵筆もなくて、「ママ、お水と筆をください」という。

何事も検証したいというその気持ちは素晴らしいことだ。

だがしかし今じゃなくても、、これからやることいっぱいあるのに、と唇をかみつつ、試してみたいというその気持ちにこたえてあげたい気もする。

仕方なく、ヨーグルトの空き容器を水差しにして、
私のメイク用の筆をおろして使わせてあげた。
仕事の裏紙の束を渡すと、満足そうに検証作業に取り掛かる。

こうなっては、しばらくお風呂もごはんも無理だろう。
くーっ泣きたい!!けどこんな日もあっていいだろう。
もうあきらめモードで、他の家事とかする。

しばらくすると、
赤と青がまざった紫、そして、たくさんの不思議な色ができていた。

裏紙の不思議な名もない色たちを見ながら、
試してみたい、という彼女の気持ちに、なんとか工夫して付き合ってあげてよかったな、と思う。

こんな、ささいだけれど愛しい日々。
この裏紙も宝物だな。

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