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美容室で感じたクリエイターの覚悟
少し前、いつも行く美容室を変えてみた。
今まではなんとなくお店がきれいで、家から近ければ良いか、程度で選んでいて、結果も満足していた。だけど、これは自分が小心者だからだと思うけど、髪を切るのは結構怖い。ヘンになってしまったら数週間はそれで過ごすわけだから。
だから本当はこうしたいなぁ、と思う髪型があって美容師さんに相談しても「まあ普通の方がいいですかねー」って自分から言っちゃって、結局何も変わらず。
グイグイくるベテラン
そんな中、奥さんが新しい美容院に行ってよかったと言うので、自分もそこにいってみた。
切ってもらった美容師さんは、自分より二回りぐらい年上のベテラン。歴20年以上とHop Pepper Beautyには書いてあった。
初めてだったのでいつも通りちょっと切ってもらって終わりかなと思っていたんだけど「いや、絶対ここは短くした方がいいよ」と自信満々に言われた。
結構びっくりした。今まで自分が出会った美容師さんは聞けば提案してくれることはあっても、否定してくる人はいなかったから。
結果、言われるがままに(厳密にはちょっと妥協?してもらい間をとった)カットしてもらって、大変満足した。それはもう1年近く前になるけど、今もその人に切ってもらっている。
覚悟のある美容師
「こうしてほしい」というクライアントの要望とは逆の提案をするというのは、美容師に限らず難しいことだと思う。
まして、「髪型」という言語化して説明しずらい対象、そして失敗した時の客側のガッカリ感を考えると、強くオススメする美容師側のリスクはとても高い(もし微妙な結果なら、その客はもう来なくなるだろうから)。
だからこの人すごいなと思った。リスクを追って、私の平凡な要望より、この人の信じる理想を追い求めていた。すごく自分を信じてるし、結果に責任を負う覚悟を感じた。
アウトプットに責任を負えるか
仕事におけるデザインでも同じなんじゃないかと思った。
関係者で合意形成されたものが正解とは限らない。社内で揉みくちゃにされるなかで「悪いデザイン」になりそうなら、それを止めるのもデザイナーの責任なんだと思う。
それは、微妙な髪型のオーダーをしてきた客に「それはやめた方が良い」と言ってくれる優れた美容師がそうであるのと、同じことなのではと思ったのでした。
緊急事態宣言も明けたので、そろそろ理容室行きたいな。
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Cover photo by Karsten Winegeart
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