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全部のせVAIO - 百徳ナイフを実用性だけでは語れない

古いノートパソコンを捨てた。もう長らく使ってなかったとてもコンパクトなVAIO。

最初に個人で所有した(家族と共用じゃない)パソコンだったこともあり、思い出深かったし、なによりこのパソコンが大好きだった。

モリモリなのに10インチコンパクト

ディスプレイ10.6インチというコンパクトモデルにもかかわらず、当時一般的だった機能はほぼ完璧に揃っていた。

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USB、LAN、ディスプレイ出力やDVDドライブはもちろん、モジュラージャックやPCカードスロット、SONY独自のメモリースティックスロットやiLinkポート、そしてヘッドホンとマイクはなんと端子が分かれていた。

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もちろんバッテリーは着脱可能。

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発売は2004年。Macbook Airが発売されたのは少し後の2008年なので、そう言う意味ではこのVAIO Tシリーズは厚みこそあったが、4年後に発売されるMacbook Airと重さや縦横寸法はあまりかわらなかったことを考えると、かなり攻めた製品だったと思う。

ちなみに当時自分はPCをモバイルする必要なんて全然無かったんだけど、ただただ、この万能感に惹かれて貯金を使い果たしたのだった。

シンプルなのは美しいけど

これは偏見かもしれないが、UIでもプロダクトでもグラフィックでも、多くのデザイナーはシンプルなのが好きだと思ってる。見た目にも、仕様にも、使い勝手にもシンプルさを求めるし、求められてる気がする。

Fladdictさんの有名な昔の記事で「百徳ナイフにもなると使いにくい」的な記事がある。(ご本人の元記事が今は消えてるようなので、検索上位に来たインタビュー記事を貼っておく。)

ちなみによく出てくる画像はこれ

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https://www.amazon.com/dp/B001DZTJRQ

わかるんです。

実際自分もそういうものが好き。プレゼンならいかに情報を削るか、UIなら要素減らすか、コンセプトやコピーだって短い方が良い、とか思ってる。引くより足す方が簡単だと思ったりもする。

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そう言う意味では、このVAIOは真逆だった。正直、この多機能を全部欲してる人なんていなかったのでは、と思ってしまう。これらが無かったらどんだけ軽くできたんだろう、とか思うし。(逆にこれだけモリモリで1.38kgというのもすごい)

百徳ナイフが欲しい時もある

でも、このVAIO Tシリーズの「コンパクトに全部収めてやるぜ」という根性みたいなものは本当にすごいと思う。これがあれば、どこにでも持っていけるし、なんでもできる!みたいな気持ちにさせてくれた。

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正直、前述の通り自分にとっては無駄が多かったと思う。でも、多機能さやハイスペックというのは、そういう無駄かどうかとか、そんな理性を時々超えてくる。

百徳ナイフだって、あんなん危ないに決まってるけど、無性に欲しい!と言う人、いるんだと思う。

実用性やコスパとか「買わない理由」はいくらでもあるんだけど、でも、むしろ「買う理由」を探して早く買いたい!という気持ちにさせるのが、こういうハイスペックな商品。

大人になればなるほど、そういうのは理性が嗜めてしまうのだけど。

好きとはいえ、本当にもう使い物にならない古いパソコンだったため。泣く泣く廃棄にした。廃棄ボックスに投入してちょっとたって、なんだか寂しい気持ちになった。

ごりっごりのゲーミングPCとかに、今も時々憧れる。PS5だってそうだ。やりたいゲームがあるわけじゃない。(そして今だに手に入ってない。。)

久しぶりにそんなスペック無駄使い、したいな。

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