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FF16・英語で読むヴァリスゼア①(少年期)

FF16のシナリオが、日本語で書く→英語に翻訳→日本語に翻訳、という手順で作られた、ということはインタビュー等でも度々語られています。英語から日本語に翻訳される場合、尺が同じだと英語の方が情報が多くなる傾向があり……ということは、最終的な日本語版ができるまでに削ぎ落とされてしまった情報(や、英語にする際に明確になった情報)がいろいろあるんじゃないか? などと思ったわけです。
そういったわけで早速確認してみたところ、まあ、あります。日本語だけでは知り得ないことがぽろぽろ出てきます。各言語に合わせて調整されている部分もあるでしょうから、英語版の内容がすべて正というわけではないと思いますが……それでも日本語版でも知りたかったんですけど、というようなこともちらほら。もちろん物語を理解するには問題ない範囲ですが、そういう細々としたものにこそ興味をそそられてしまうもの。英語に抵抗がない方は、ぜひ一度英語版でやってみると面白いと思います。
さて、ここでは、英語は苦手だけれどヴァリスゼアやクライヴたちをもっと知りたい! という方のために、日本語版と英語版を見比べて、特に興味をひかれたものを取りあげていきたいと思います。当然ながらネタバレは一切考慮しませんのでご注意ください。全文を掲載するわけにもいかないのでほんの一部をご紹介するだけですが、ヴァリスゼアをさらに深く味わう一助になれば幸いです。


前置き+注意

ここではまず本編として、「日本語版ではわからなかった事実」を主に取りあげていきます。例としてはヴァリスゼアの季節や暦、文化、動植物などについて言及されているところ、人物たちの趣味趣向や経歴、知っていることや考えていることがわかるところなどです。
別に番外編として、新事実とまではいかないものの面白いセリフや表現、ヴァリスゼア流の慣用表現などを扱うつもりです。日本語と英語で内容が矛盾しているところや、まったく違うことを言っててちょっと面白いところなどもこちらで扱いたいと思います。このあたりの切り分けはわりと適当ですがご容赦ください。これを書いている時点で青年期までチェックが終わっていますが……実はすでに番外編の方が多くなりそうだったりします。

読んでいただく際は以下の点ご留意ください。

  • 日本語音声&英語字幕でプレイし、日本語は聞き取ったものを書き起こし、英語は字幕を書き写しています。手作業です。聞き間違い、書き間違いあると思います。街の住民等のキャラクター名は、日本語版を覚えていない限り英語版を元にしています。

  • 書いている人間は、英語はちょこっとできますが純日本人です。カジュアルな会話表現は苦手です。訳の正確性は保証できません。英語音声は聞いていないので、ニュアンスの取り違えもあるかと思います。読みやすい訳出を心がけていますが、あんまり意訳するのも趣旨に合わないので多少不自然なところがあるかもしれません。

  • 対象にするテキストは、イベントシーンやフィールド上で聞ける会話に加え、手紙・支援品・リスキーモブ掲示板のテキストなんかも扱う予定です。インナーボイスはもしかしたら入れるかも(作業始めた時にはまだ存在していなかったので、今のところ手をつけていません)。ロアは対象にしていません。

  • 取りあげた内容について個人的な見解を述べることがあります。興味がなければ読み飛ばしてください。ゲーム中(+アルティマニア)から類推できることしか語らないつもりですが、クライヴとジルの間のクソデカ愛を激押ししているクラジル強火オタクが書いています。多少偏った内容が見られるかもしれません。ごめんなさい。

さて、前置きが長くなりました。それでは本編に入りたいと思います。少年期から、基本的にはゲーム内の時系列どおり追っていく予定です。

少年期

迫る黄昏~

  • 開始直後(字幕)

<日本語>13年前
<英語>Thirteen Summers Earlier(13年前の夏)

オープニングのニサ渓谷で暗転して、少年期開始直後の字幕。日本語版では季節に言及されていませんでしたが、夏であれば、ジルが肌寒そうにしていたのを見ると初夏とかでしょうかね?

  • 謁見の間へ向かう途中(ベアラーの主人)

<日本語>ああ これはクライヴ様
<英語>Forgive me, Lord Marquess! (失礼いたしました、侯爵様)

ジルを伴って城へ向かう途中、すれ違ったベアラーが落とした果実を拾うクライヴに対してベアラーの主人が声をかけるところ。この後も壮年期まで、時折Marquess(侯爵)と呼ぶ人がいます(ハンナさんや種火の守り手など)。どうやらクライヴは爵位を持っているよう。王の兄弟や子息で公爵というのはわりといろいろなところで見かけると思いますが、大公の子だからひとつ下がって侯爵なのでしょうね。

  • クライヴに任務を説明するエルウィン

<日本語>しきたりどおり 戦ごとの天啓を仰がねばならん
<英語>There we will listen to the Words of Our Ancestors, as tradition dictates.(伝統的な決まりにのっとって、祖先の言葉を聞かなければならん)

ジョシュアがフェニックスゲートで儀式をして授かる天啓は「Our Ancestors(祖先)の言葉」であるようです。複数形なので特定の誰かというわけではなく、たとえば歴代のフェニックスとかなのでしょうか。ロザリアではこの「祖先」を神様的なものとして扱っているようで、後に青年期のジョシュアが口にする火魔法の詠唱で「いにしえの力秘めたる神々の息よ」が「Breath of mine Ancestors」と表現されていたりします。
祖先を神様風に扱うという点では、ロザリアの人々は神頼みする際によく「Founder」(建国者)と口にします。建国者様お助けください、というような感じです。なんてこった! 的な「Founder!」はクライヴが度々口にする他、ウェイドやタイラー、ジルなども言います。

<日本語>話は以上だ 今日のところは早めに休め
<英語>That will be all. Rest well. We ride at dawn.(以上だ。よく休め。夜明けに出発する)

任務を説明して、話を切り上げるエルウィンのセリフ。日本語版では時間まで言及されていませんでしたが、出発はdawn(夜明け)なのだとか。出発シーンはそれほど早朝という雰囲気でもなかったような気もしますが。
任務を終えてスティルウィンドを発つ際に、そろそろ出発しないと日が暮れる、というように言っていたことから、スティルウィンド経由フェニックスゲートまで(調査時間込みで)丸一日の行程ということになります。江戸時代の旅人が1日30~40キロほど歩いたといいますので、ゴブリンやらモルボルやらとやり合っていた時間を差し引いて、それより少し近いくらいでしょうか。

  • フェニックスゲートで宴会を抜け出した兄弟

<日本語>クライヴ:俺は賑やかなのが苦手だ
     ジョシュア:僕だってそうだよ
<英語>I've never really been one for cakes and ale.(ケーキもエールも得意じゃないんだ)
    It's the vegetables I don't like...(僕は野菜が嫌いだよ)

宴会が好きじゃない、という会話ですが、どうやらクライヴはエールが苦手だったよう。壮年期には普通に飲んでいるようでしたが、大人になって平気になったのでしょうか。ケーキについては英語だと甘いものばかりを指すわけではありませんが、もしかしたら甘いものも苦手なのかもしれません。そうするとノースリーチでジルが買ったパイはお菓子系なのかごはん系なのか、気になるところです。ジョシュアは野菜が嫌いと言っていますが、にんじん以外にも嫌いなものがあったのでしょうか。

<日本語>クライヴ:そうでもない 俺は大公家の無駄飯食らいなんだから
<英語>They never used to. When I joined the ranks, everyone thought I was a spoiled little lording.(前はそうじゃなかった。この位についたときは、甘やかされた坊ちゃんだと思われてたよ)

ジョシュアがみんなクライヴを慕ってる、と言うのに対するクライヴの返答。ロザリスの人々の態度も好意的だったり、あまり陰口を言われていそうな雰囲気には見えませんから、一体誰にそんなこと言われてたの? 貴族か? と思ったものですが……フェニックスのナイトになって変わった、ということだったようです。クライヴは12歳で騎士の位を受けていますが、その時はまだひいきされてって言われていたのでしょう。

  • フェニックスゲートが襲撃され、ジョシュアの部屋に駆け込んでくるウェイド

<日本語>ウェイド:ジョシュア様 夜分遅く失礼いたします ウェイドと申します
     ジョシュア:一体何ごとです
<英語>Forgive me, my prince! It's me, Wade. You probably don't remember me...(失礼します、ジョシュア様! ウェイドと申します。私を覚えておいでではないでしょうが)
    I remember. What is it?(覚えています。一体何が?)

ウェイドのロアを見ると幼いジョシュアに命を救われたことで騎士を目指したということがわかりますが、そのことを言っているのでしょうか。ウェイド卿はジョシュアが生きていることをとても喜んでくれたと思うので、二人が再会するところを見たかったものです。イーストプールのサブクエストには、ジョシュアを連れて行くこともできますけども。オリジンに経つ前に少しくらいは言葉を交わしたかもしれませんね。


少年期については以上です。次回は青年期・ニサ峡谷から。よければまたお付き合いください。

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