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幼保小の接続には、丁寧な関わりと解像度を上げることが必要

小学校に向けて、保育園でできることを考えてみた

1.小学校で対応に困るこの特徴や行動

先日、勤務する市の保育園、小学校、適応教室の専門家(児童精神科医や心理士など)などが集まる勉強会に行ってきました。
今回のテーマは「幼保からの小学校への接続」ということで、小学校で対応に困る子どもや不登校になりやすい子どもについてでした。

適応教室の専門家からみて、最近の特徴としては

  • 不安が高い子が多い

  • 保護者の問題意識が低いことが多い


また小学校1年の担任の先生が今困っていることしては

  • 列で並べない(手洗い時など)

  • 電子黒板など精密機械に勝手に触る

  • 通りすがりに友達を叩く

だそうです。

2.保育園でできること3つ

では、勉強会を通じて考えた保育園でできることは3つあります。

  1. その子の不安の高さを保護者にも伝える

  2. 生活を繰り返すなかで、身の回りのことの必要性を知らせる

  3. 子どもの正当なアセスメント

どういうこと、見て行きましょう

3.その子の不安の高さを保護者にも伝える

保育園で子どもと一緒に生活していると、その子の不安の高さを感じることがあると思います。例えば、保護者との分離時や新規活動場面など。
そんな時は、保護者にも伝え、共有する必要があると思います。
保護者に伝えにくい内容ですが、勉強会に参加していた専門家からはこんなアドバイスをもらいました。
現状の心配+小学校での心配をセットにする
例えば、「今集団の中で◯◯な姿があり、小学校では△△なところが心配」というような内容です。
保育園は集団の中でも比較的丁寧に子ども一人一人を見て関わっていると思うので、困っていないところがあるかもしれません。
保育者が意識していても無意識であってもうまく関われているケースが多いと思います。この関わりを保護者に伝えられるといいのではないかと思いました。
そのためにも自分が行なっているその子にフィットした関わりをできるだけ意識の支配下に置く必要があると感じました。無意識に行なっていることは説明できませんからね。
子どもに合わせた丁寧な関わりをして、そのなかで解像度を上げて、子どもを見ていく必要がありそうですね。

4.生活を繰り返すなかで、その必要性を知らせる

小学1年の担任の先生から出てきた「列に並べない」『機械などに触る」についてです。
これは保育園時代は、保育者や友達に言われたら列に並び、大切なものは手に触れられないように環境が整えられていたのではないかなと推測しました。
保育者に言われたから行うと、その必要性を理解していなくてもその行為自体はできてしまいます。必要性や意味まで理解できているのかまで解像度を上げて観察していかなくてはならないと思いました。

5.子どもの正当なアセスメント

勉強会に参加した専門家からはもうひとつ、こんな特徴が出てきました。

年少時に加配対象児で成長とともに加配対象児では無くなった子だったり、0歳保育など長期間保育園に通っている子は、小学校での適応が難しくなる子がいる。

これは、たぶん子どもの成長幅がアセスメントに影響しているのではないのかなと感じました。
長い期間関わっていると「あの子がこんなにできるようになった!」と嬉しくなる気持ちになりますよね。
その気持ちが、アセスメントするときにバイアスになり、やや過大評価していたと思います。
そのアセスメントだけを見た小学校が他の子と同じように対応していたところ、適応が難しくなっていったのではないかなと推測されます。

この気持ちはすごくわかるのですが、小学校に送り出す時には、もう少し解像度を上げて見ていかないと、結局本人の困り感につながっていってしまいます。

6.結局は、丁寧な関わり+解像度を上げることが必要なんだ

「もうすぐ小学校だから」と特別なことをするのではなくて、それまでと同様に丁寧に関わって行くことが必要で、そのなかで解像度を上げて子どもを見て、小学校や保護者に言語化して伝えていきたいと思いました。


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