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こどもたちの意見を尊重するために〜保育での上位目標の活用

前回の記事では、多数決に頼らずにこどもたちの意見を取り入れるための方法として、話し合いやローテーション、折衷案を紹介しました。

しかし、これらの方法をとっても解決が難しい場面もありますよね。
そんなとき、保育者がどのように関わるとよいかを考えてみませんか?


1.こんなとき、どうしていますか?

こどもたちの思いを尊重をしようとしても、なかなか解決に至らない、あるいは解決の糸口が見えないことってありますよね。

例えば、最近エピソードです。
Aちゃんが「Bちゃんとままごとで遊びたいのに、遊ばないって言われた」と言い、
Bちゃんは「ぬりえがやりたいんだもん」と応じる
そんな3歳児のやりとりがありました。

保育者としては、両方の気持ちを伝えても、思いは変わらず・・・
そこで、「ままごとしてからぬりえをしたら?」とローテーションを提案しても、
どちらも「やだ!」と言い張ります。
「Aちゃんはままごと、Bちゃんは塗り絵で遊んだら?」という折衷案を提案しても二人とも「やだ!」と拒否するばかり。

こんな場面に、みなさんならどう対応しますか?

2.上位目標の提示が大切

このとき、僕は二人にこう聞いてみました。

「二人は一緒に遊びたいの?」と

すると、二人は「うん」と頷きました。
そこで、「じゃあ、何で一緒に遊ぶ?」と再度問いかけると、
二人で相談し、すぐに一緒に遊び始めたのです。

この「二人は一緒に遊びたいの?」が問いかけが、
「上位目標」の提示になります。
これは工藤勇一さんの考え方に基づいたアプローチです。

お互いの合意事項、今回のケースでは「一緒に遊びたい」という共通の目的を確認すると、
こどもたち自身が納得できる結論を導きやすくなります。

時として、こどもたちの意見を尊重しようとするあまり、
上位目標を見失いがちになります。
意見が対立した際こそ、共通の合意事項を確認し、上位目標を示すことが大切だと感じています。
これからもこうした関わり意識的に行っていきたいと思います。





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