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保育中の子どもの困った行動への対応について考えてみた その2

1.子どもの困った行動へのマインドセット

前回の記事では、子どもの困った行動には、解像度を上げて観察、考えようという話をしました。

今回は、ポイントの2つ目、
困った行動をしていない時の対応が重要
ということについてです。

2.困った行動が気になりだすと、保育者は普段の見方でできなくなるわけ

保育者が子どもの困った行動が気になると、どうなって行きやすいのかを簡単に説明したいと思います。

負のスパイラルに陥る

上の図のように心理学的な効果が働き、負のスパイラルに陥りやすくなると思います。
この負のループに陥ると、子どもの困った行動しか目に入らなくなります。

「ランドルト環」というものをご存知ですか?
視力検査に使用する『c』の形をしているやつです。
これは欠けている部分に目がいくという人間の習性を利用しているそうです。
負のスパイラルに陥ると、この「ランドルト環」の状態になるわけです。
困った行動(欠けているところ)がよく見えるというわけです。

3.必要なのは、手当てでない。手立てだと思う

では、子どもの困った行動が気になった時にはどうしたら良いのか。
それは、手立てを考えること。
どうしても保育者は、子どもの困った行動に直面すると、その行動が起こったときに関わろうとします。これは応急処置(手当て)だと認識するといいと思います。
例えば、発熱時に冷却シートや氷枕で冷やすこと
これが、手当です。

保育者が大切にしたいのは、この手当てではなく、手立てたと思います。
この例で言うと、発熱を起こさないように基礎体力をつけるために運動する、体を冷やさないなどが、これに当てはまります。
これらの対応は発熱していない時に行いますよね?
これが手立てです。

子どもの困った行動にもこの手立ての考え方が有効だと思います。
何気ない時に声をかける、うまくいっている時にそのことを認めるなどを僕は気をつけて子どもと関わっています。

当たり前のことですが、適切なことをしているとには、不適切な行動はしていないですよね。

手立ては、適切な行動の量を増やして、不適切な行動を減らそうと考えることです。
反対に、負のループに陥りやすい考え方は
不適切な行動を減らして、適切な行動を増やそうをしているんですよね。

適切な行動を増やすと言う目的は同じだけど、
考え方が変わると、結果が変わってしまう可能性が出やすくなるんですね。

この手立てという考え方は
PBS(Positive Behavior Support)ポジティブ行動支援の考え方に近いと思います。
先日PBSの研修を受けて、感じました。

4.子どもの困った行動に対応する時には、2つのことを意識しよう

前回の記事と今回の記事で言いたかったことは
子どもの困った行動があるときには

  1. 解像度を上げる

  2. 困った行動をしていない時の対応が重要

と思い出してもらえると、負のループに陥ることなく、何かしらの関わり方や対応仕方が思いつくのではないかなと思っています。

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