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経営学部卒の保育士の考え方①〜クラス活動に参加したがらない子への関わり〜

活動に参加しない子に関わるときのマインドセットについて考えてみたいと思います。
僕は経営学部卒の保育者というちょっと変わったルーツを持っているので、
ビジネスの世界の考え方から、このことについて考えてみたいと思います。



1.活動に参加しない子とは・・・


保育では、クラス全体で取り組んでいきたい活動があると思います。
取り組み方はいろいろですが、例えば、運動会や発表会、制作などです。
取り組んでいく中で、なかなかその活動に参加しないように見える子がいると思います。

見ているだけでも参加しているとはいえ、それがずっと続いたりすると、
その子への関わりに心を砕く保育者の方も多いのではないかと思います。

僕自身も、そのような子への対応で、自信をなくしたり、活動に対して憂鬱な気持ちになったり、ネガティブな感情を抱くことも多々ありました。
保育者の思いが強いとよりこの傾向が強くなる印象があります。

2.イノベーター理論とは。

こういうときに思い出して、気持ちが楽になった理論があります。

イノベーター理論 です。

この理論について僕なりの解釈をお伝えします。

https://www.onemarketing.jp/contents/innovation-theory_re/より

この図は、新しい製品を発売してから、どれぐらいの割合の人が買っていくかとグラフで、時間の経過によってその人たちをグループ分けしています。
例えば、携帯電話はガラケーからスマホに替わりましたよね。
グラフの中にある、「イノベーター」や「アーリーアダプター」と言われる人たちはかなり早い段階でスマホに切り替えた人たちです。
逆に「ラガード」に分類される人たちは、お得な割引制度や本体0円などのキャンペーンをしても、なかなか乗り換えず、ガラケーが制度的、物理的に使用が難しくなって仕方なくスマホに変えた人たちとイメージしてください。

スマホが日本に登場してから8年経った2016年時点で、まだ30%のひとたちがガラケーを使っていたようです。

総務省「数字で見たスマホの爆発的普及(5年間の量的拡大)」より

つまり、大人でも変化を受け入れるには相当な時間が必要ということがわかります。

3.イノベーター理論で気持ちが楽になる

この理論を20人クラスに当てはめると、
3〜4人は、新しい変化が苦手で、周りの友達の姿を見ていても不思議ではないと思います。
特に保育での活動は、時間が軸が短いので(スマホ移行は10年近くかかった)、
子どもは変化が激しいと感じていても不思議でないと思います。

そして、その子達を動かそう(参加させよう)と思うと、
お得なキャンペーンよりも強力な力が必要となります。
つまり、半強制させるなど・・・

こう考えると、いろいろ関わってみたけど、
子どもが自分の思ったような姿になっていなくても当たり前だと感じませんか?

僕はこれですごく気が楽になりました。

4.だからといって、なにもしなくていいわけではない

参加しない子が、保育者の関わりで姿が変わりづらいからと言って、
その子達に何もしないのは違うと思います。

先ほどのガラケーからスマホに替える過程をイメージしてください。
周りよりもスマホに替えるのが遅い方でもワクワクしながら、
替える方っていませんでした?
そういう方は多分、周りのスマホを使っている人を見て、
「楽しそう」「便利そう」
とポジティブな感情を感じたからこそ、
スマホへの乗り換えを決断したと思います。

保育においても、参加しない子(見ているだけの子)に
直接アプローチするより、
今現在参加して取り組んでいる子たちがより楽しく取り組めるようにして、
楽しい雰囲気を作っていくことで、
参加を誘って(いざなって)いくことができる感じています。

また、時間軸を長くする工夫もしています。
クラス全体で取り組む前に、好きな遊びの時間にやりたい子達から取り組むという関わりです。
イノベーター理論の「イノベーター」「アーリーアダプター」にアプローチするイメージです。
そうすることで、クラスの中で少しずつ変化がおき、変化のスピードも緩やかになるのではないかと感じています。

5.クラス活動で取り組むときの工夫をまとめると・・・



①まずはクラスで取り組もうと保育者が考えている期間の前に
やりたい子だけで、その活動の一部でも取り組んでいく。

2実際にクラス活動としての取り組みが始まったり、
その活動をより楽しい雰囲気になるように盛り上げていく

こんな当たり前の関わりが、新しいことが苦手な子へのアプローチになると思い、僕は取り組んでいます。


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