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読書記録21📚「かがみの孤城(下)」辻村深月

<あらすじ>
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。なぜこの7人が、なぜこの場所に――
すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。
生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。本屋大賞受賞ほか、圧倒的支持を受け堂々8冠のベストセラー。


<レビュー>
⭐⭐⭐⭐⭐
最近エッセイとか、小説でも実際にありそう(まあないねんけど)な現実味を帯びてるストーリーもんしか読んでなかったので、久々に主人公の女の子が鏡の世界に入っちゃう系ファンタジーストーリーを読んでみました。

まずは読みやすい。ボキャブラリー易しめ。ストレスなく読める。

長めのストーリーで、要所要所にまあ気にせず読み進めれる程度のちょっと違和感ある文章があって、ラストスパートに向かってその違和感(=伏線)が余すところなくどんどん回収されていく。うわーここがこう繋がってたんや、そういうことやったんか、っていう、もうそれは感動を越えて感心しちゃうような感情が怒涛のように押し寄せてくる感じ。なんか東野圭吾の小説と似てるなぁと思いました。


家庭や友人関係に悩みを抱えている子供達7人がかがみの孤城に集められて、何故この城に集められることになったのかが解き明かされていく流れなんですが、みんなそこは踏み込んではいけない領域として、お互いの事情はずっと話さないまま過ごしていくんです(中学生ってそんなもん?って思った)

ファンタジー小説ってまあ何でもありっていう事も重なり、次の展開が全然読めず、この子達最終どうなるんだろうっていうのが最後まで分からない点が面白くて夢中で読めた。色々と謎や伏線が多すぎて、一番の謎である狼の仮面を被った女の子の存在も忘れがちだったけど、最後は誰だったのかがしっかり明かされてめちゃくちゃすっきりした。

あとは物語後半で主人公のこころが、願いを叶える鍵を手に入れるために他の子達の記憶を覗いたシーン。それぞれが中学生特有の複雑な人間関係の中で、純粋な心で必死に闘って生き抜いている様子が、私の琴線に触れまくって涙流しながら読んでた(お酒飲みながら読んだから感情的になっていたのもある笑)

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