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本2.暗幕のゲルニカ

<作者>
原田マハ

<あらすじ>
ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。MoMAのキュレータ一八神瑤子はピカソの名画を巡る陰謀に巻き込まれていく。故国スペイン内戦下に創造した衝撃作に、世紀の画家は何を託したか。ピカソの恋人で写真家のドラ・マールが生きた過去と、瑤子が生きる現代との交錯の中で辿り着く一つの真実。怒涛のアートサスペンス!

<レビュー>
⭐️⭐️⭐️
第二次世界大戦中にピカソの恋人だったドラ(実在の人物)と、ニューヨーク近代美術館のキュレーターで9.11を経験した女性の話が、ゲルニカを巡って展開されていく、史実を元にしたフィクション。

正直、国連に飾られてある1つの絵に一瞬暗幕がかけられたくらいでこんな騒ぐ?って美術に無頓着な自分は思った笑

ただゲルニカって小学校の体育館にあって、変な絵やなぁ、としか感じてなかったねんけどこんな壮大な歴史が隠されていたとは。って感じで今更な学びもあり、興味深いなぁとも思った。



あと、原田マハって美術史専攻してて、ニューヨーク近代美術館でも働いてたって初めて知った。そらここまでの美術史を1つの小説に盛り込めるわけですね。今まで読んだ原田マハの小説は心温まる系のほっこりする話が多かったから意外でした〜。



実際こんな女性だったのか、それともフィクションなのか、わざわざ調べるまでのモチベはないねんけど(笑)個人的にはピカソの恋人のドラの生き様が好きやった。本当は感情的で脆いのに、強がってかっこよく生きようとする姿に、共感する部分があったりなかったり🤭

ドラの印象的やった言葉を2箇所抜粋。

“生きたいように生きて何が悪いの、私の人生なんだから誰にも文句を言われる筋合いはないわ。けれども「誰にも文句を言われる筋合いのない人生」が、ふとつまらなく思えてしまうことがあった。”

“泣いてすがるなど死んだってするものか。自分はそんなかわいい女じゃない。か弱い女でもない。行くなら行けば?と背中を向ける。それまでのこと。”

芯が強い女性って素敵でかっこいいよな〜笑 
と同時に自分はこうやって強気に考える事もよくあったし、今でもそういう瞬間はたまにあるけど、今は素直に人に弱さを見せた方が人生うまく行くな〜って感じてる、丸くなった、年かな😂

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