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読書記録24📚「そういうふうにできている」さくらももこ

<あらすじ>
この腹の中に、何かがいるのである。大便以外の何かがいる...!テスターによるショーゲキの妊娠発覚、どん底でバカバカしいギャグを考えてた悪阻期、悪魔の封印石のような強情な便との壮絶な戦い、と、期待にたがわぬスッタモンダの十月十日。そして、とうとう生まれたよ。あたしゃ、おかあさんになっちゃったよ。そう、まる子も人間、人間も宇宙の生命体、そういうふうにできている、のです。



<レビュー>
⭐️⭐️⭐️⭐️
まる子が妊娠してから出産するまでの記録を綴ったエッセイ。

魂と脳と心の関係とか、生命は宇宙からやってくるエネルギーとかなんとか。よく言えば神秘的、悪く言えば何ゆうてんのかよくわかりまへんわ🤷🏽的な話が多くて、まる子の他のエッセイとは少しテイストが違っていました。

まあ、妊娠から出産とゆう情緒不安定になりまくるであろう時期、しかも帝王切開で部分麻酔を行って意識が朦朧とした時の話にも触れていたりと、人生で一度経験するかしないかの出来事が一気に振りかかっているんやから、話のテイストもそら少しは変わるよな〜と納得しながら読んでました。


というふうに、いつもと違うなぁという部分もありましたが、総合的に見ると、やっぱり妊娠・出産期という精神的にも身体的にも大変な時期の話をまる子節で面白おかしく綴ってくれていてクスっと笑える箇所も多かったです。(帝王切開の時についでに盲腸も取ってもらった話だとか、術後、おならが出たら食事をとれるよと言われて腹ちぎりそうになりながら必死で放屁する話とか)


ただ、マタニティブルーで些細な事でわんわん泣いたという話も結構多くて、妊娠に対してなんだか抵抗感が増しました(妊娠どころか結婚の予定すらないけど笑)


そんな時でも夫が支えてくれたというエピソードも割と多くて、あぁ子供好きできっとめちゃくちゃ優しい旦那さんなんやろなぁと容易に想像できた。まる子よかったね☺


さくらももこのエッセイは久しぶりに読んだのですが、普段、SNSやネットを見る時のクセで、ニュアンスで大体わかるやつは文章全体をきっちり読まずに読み進めてしまっている事を急に自覚した。普段はそれでいいと思うけれど、さくらももこって日常の何でもない出来事をあえて変わった言葉で表現していたりする部分が味噌やのに、ニュアンスで飛ばし飛ばし読んでたらせっかくの面白い表現を見落としちゃうことになるな~と。(さくらももこ以外でも、プロの作家が書く文章は表現の勉強にもなるし、できるだけ大切に読み進めないとですね)


って考えているうちにふいに幼い頃の記憶が急に蘇ってきた。「ももこのいきもの図鑑」(生き物好きのまる子が様々な生物と関わったり、育てたりしたときのエピソード集)が大好きやったなと。さくらももこのババ臭くてアホらしい、でも文才で引き込まれる表現に魅了されて何周も何周もして、叔母に読み終わったやろうから頂戴って言われても断ったなぁって(笑)

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