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余白を醸そう。 「発酵室 よはく」始動します。

2016年にフリーランスの料理家として活動を始めて以来、屋号などは定めずに、自分の名前で活動してきました。

個人事業主の「屋号」とは、法人で言うところの「会社名」のようなもので、料理家の場合は「〇〇キッチン」のような屋号で料理教室をされている方が多いです。屋号は開業届を出す際に申告することができるのですが、任意のため特に付けなくても問題ありません。

実はずっと「何か良い屋号が欲しいなあ」と考えていたのですが、なかなか良いアイデアが出ないまま早6年。

先日、まるで嘘のようにしっくり来る屋号が舞いおりてきました。

発表します。

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これが私の新しい屋号です。
「よはく」とは、あの「余白」のことです。

「発酵室」と「よはく」の間には、半角スペースが入ります。
これも余白を表現しています。

「発酵室」という言葉には、ラボや実験室のような、みんなで研究するような空間、そして私が一方的に教える先生というよりも、みんな並列で様々なものが混ざり合い、関係し合い、ぷくぷくと発酵していくようなイメージを込めました。
もちろん、概念だけではなく、物質的な発酵食品も扱っていきますよ。

そして、新しく屋号を定めたタイミングで、私自身の活動の軸も少しだけ変化していく予定です。

これからの活動について

これまで通り、日本酒や発酵料理やペアリングを中心とした料理家の活動は続けていきます。私の活動の軸である日本酒マリアージュ料理教室も、もしかすると名前やスタイルをマイナーチェンジするかもしれませんが、今後も変わらずに続けていく予定です。
それに加えて、味噌作りなどの手仕事の会を定期的に行ったり、オンライン・ローカル含めてコミュニティを醸成したり、料理とは直接関係ない活動も行っていきたいと考えています。

ビジネス的には「事業」と言うのでしょうが、遊び心を込めて「発酵室 よはく 〇〇部」のように事業をカテゴライズしていくつもりです。

その一つとして、早速「発酵室 よはく ラジオ部」を作りました。

「発酵室 よはくの余白採集」というタイトルで、Podcastラジオを配信していきます!毎回ゲストをお呼びして、余白をテーマに語り合っていく予定です。我ながら、ゆるっとして聞きやすい感じかなと思います。

本日、第一回目を公開しましたので、お聞きいただけましたら嬉しいです!

肩書きについて

そして、屋号に「発酵」というワードを入れたことにより、私の基本の肩書きは「発酵料理家」から発酵を削ぎ落とし、シンプルに「料理家」の肩書きに立ち戻ろうかと思います。うん、スッキリして潔くて良い感じ。
今後の私のプロフィールは「真野遥(料理家・発酵室 よはく主宰)」という感じになりますので、よろしくお願い致します。

また、これは遊び感覚の肩書きなのですが、時と場合によっては「余白採集家」を自称していこうと企んでいます。なんだか怪しい肩書きですが(笑)、その名の通り「余白を採集する人」ということです。

これはライフワーク的な感じで、実際にiPhoneに余白採集メモを作り、「あ、これ余白だ!!」と思ったらメモするようにしています。
ラジオは、そんな余白採集のアウトプットの一つでもあります。
こつこつ余白を採集して、いつか「余白図鑑」のような冊子でも作れたら楽しそうだなあ。

肩書きなんて幻想のようなもの。
どんどん変な肩書きなのって遊んでいきましょう!!

ロゴに込めた想い

この素敵なロゴは、デザイナーの水迫涼太君に作ってもらいました。
水迫君とは、北山に柚子狩りに行った時に出会い、そのセンスの良さに惹かれ、屋号を決めるところからロゴデザインまでお願いしました。
私の難解なイメージを見事に形にしてくれて、本当に感謝です…!!

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実はこのロゴ、レコードをモチーフにしています。
レコード版を丸く切り取ったようなデザインなのです。

私は音楽が大好きなので、なにか音楽を想起させるデザインにしたかったのと、レコードそのものに余白を感じるためです。

今やデジタルでいつでもどこでもクリアな音質で音楽が聴ける時代ですが、まるで時代と逆行するように、アナログレコードの価値が見直されています。

スペースは取るは、いちいち裏返すのは面倒だわ、何かと不便なレコードですが、その手間が良いんですよね。そして、デジタルには無い、アナログの独特な温かい音質が良い。しかも、レコードの音の良さって、数値化できないそうなんです。ここに私は余白のロマンを感じます。

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そして、このレコード版は「地層」も見立てています。
それは、地球・人類が積み重ねてきた歴史を尊重しながら、これからの未来を創っていくイメージであり、最表層にある「食」を入り口にして、畑や海など、食べ物を生み出す自然を深く掘り下げ、最深層には原始的なものや形而上学的なものが潜んでいるようなイメージでもあります。
ちなみに青い部分は地球の核のマントルのイメージでもあるし、海にも見えるし、地球にも見えます。地層のような曲線は、星の動きにも見えますよね。

また、この曲線は、本物の木の年輪の写真から抽出したものです。
パソコンで描く均一な曲線や、人間が書く作為的な曲線ではなく、自然の無作為な造形を使ったのも大きな狙いです。
もちろん、年輪そのものにも想いを込めています。

じーっと見てると、色んなものに見えてきて楽しいですよね。
是非あなたの感性で、このロゴに自由に想いを馳せてみてください。

発酵室 よはくのコンセプト

さて、最後に「発酵室 よはく」に込めた想い、コンセプトについてアレコレ書こうと思っていたのですが、気付いたら詩のようなものが出来てしまいました。
詩なんて普段は書かないのですが、どうも分かりやすい説明を書くよりも、詩のような形態の方が今回はアウトプットしやすいみたいで。

具体的な説明は追々するとして、まずは以下の文章を「発酵室 よはく」のコンセプト説明の第一弾にしたいと思います。

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余白は埋めなくていい。
人生には余白が必要だ。


まっさらな白って、案外不自由だ。
枠の中に、余白を作ろう。

型があるから、自由に遊べる。
枠の中で、自由な余白が作れる。

不完全でいいじゃないか。未完成でいいじゃないか。
余白は埋めなくていい。埋めないのが、いい。

経済合理性には余白がない。
二項対立にも、余白がない。
数値化できない、自分にとっての"心地よさ"を見つけよう。

科学では説明のつかない、生命の余白を認めること。
人知の及ばない、肉眼では見えない、人間の手ではどうすることもできない、"でもそこに確かにあるものの存在"を認めること。

発酵には、自然の力に任せる余白がある。

余白を埋めることを強いる現代社会において、発酵を通じて「余白」を取り戻す場所。それが「発酵室 よはく」です。

余白を見つける。
余白を認める。
余白を醸す。

そんな存在でありたいと思います。

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