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私たちの好きなパンを形にする

「パン屋になったらいいよ」と言ってから、かれこれ4年が経った。

その間にその人は独学でパンを学び(実際にはもっと前から少しずつやっていた様子)、資金を貯め、フランスへ修行に行き、今はパン屋で働かせてもらっている。

普通の人がパン屋さんになりたい、自分の店を持ちたいと思うタイミングはきっと、パン屋さんで働いている時で、そうしている間に資金が溜まって、フランスに行きたい!とかいよいよ開業になるんだと思う。

だから、彼は端から順序が少しおかしい。

そしてそんなことを全く気にしない男、それがうちの旦那。

そもそもパン屋になったらいいよ、と言ったのは私だ。

始めは「僕はパンが焼けるんだ」という彼の言葉を全く信じられなかった。だってそんなはずはないと思ったのだ。醗酵だのなんだのと難しい工程をたくさん踏まなければならないパン作りを、パン屋で働いたこともない男が簡単にこなせるはずがない、そう高を括っていた。

それなのに旨かった。

彼のパンで私たちの恋に火がついたと言っても過言ではない。

予々、情熱がある人の作るものは、魔法か何か、最後にプイっとこの世のものではないものの力を借りて仕上げてるのではなかろうかと思う程、特別感が出ていると思っている。

彼の場合、潜在的な何かが隠れている、そんな感じだった。

これはすごいパン名人になるかもしれない。

あっという間にパンが焼けないはずだった男の見方と、私の心がキュっと180度の反対方向へ変わる一ちぎりになった。

そして月日が経ち、今、自分たちのパンを届けようとパン修行からパン屋になるべく日々を前進している。

私たちのパン日記、いつパン屋が開けるかわかりませんがぼちぼちやっていきたいと思います。

よろしくお願い致します。




軍資金にさせていただきます。投げ銭、どうぞよろしくお願い致します。