大好きなタピオカとの別れ

行きつけのタピオカミルクティー屋さんが閉店することを知ったのは、いつも通り店にタピオカミルクティーを買いに行った時だった。今月末でこの店舗は閉店します。そうチラシに文字が並んでいたが、何を書いているのか認識するのを頭が拒否していた。

私がタピオカミルクティーにハマったのは、テレビでタピオカの四文字を見ることがほとんどなくなった昨年の夏。それまではミルクティーも好きではないし、タピオカってなに?と言っていた私だったが、最寄りのイオンにタピオカミルクティー屋があると知って「一度くらいは飲んでみるか」と言って購入し、飲んでみたが最後。そこから週に一度は飲まないといけないと思うほどにどっぷりと沼にハマった。

その店は「二重橋」と言って、全国的に有名な店ではない。私はそこの「タピオカ入りジャスミンタピオカミルクティー」というメニューに心を奪われた。店のメニューに並ぶその名前を見るたびに、タピオカミルクティーって書いてあるんだから最初の「タピオカ入り」は要らないのではないかと感じていたが、今確認したら公式サイトのメニューには「タピオカ入り」の部分は書いていなかった。もしかしたらジャスミンタピオカミルクティーにタピオカが入っていないと考えてタピオカを追加トッピングした人がいたのかもしれない。

私はいつも「タピオカ入りジャスミンタピオカミルクティー」の甘さ普通、氷少なめを頼む。いや、正しく書くと、私は店員さんに話しかけることができないため、母に頼んでもらう。そして、受け取り口で袋をつけてもらって持ち帰る。この袋というのが不織布を七夕の時の折り紙のように切られているもので、おしゃれで持ちやすい。受け取るときに「ありがとうございます」という言葉が声になる時と掠れて声にならない時があって、基本声にならないので頭を下げて意思表示をしていた。ライブのコールアンドレスポンスで出す大声はどこに行ったのかと自分に聞きたくなるが、相手と個人的に対面しているという意識を持つと声が出ないのだ。調子がいいと掠れた小声でも出せるので安心して車に帰ることができる。

二重橋は行きつけの店舗がなくなると他の店舗は遠いので、もうタピオカは口にできないかもしれない。痩せるにはポジティブな要素だが、一年の間定期的に飲んでいた味がもう感じられないのはとても悲しい。他の店では満足できないのだ。店舗を継続させるのに貢献できず力不足だった。その後悔を抱えて、私はこれから生きていくのだ。なんでもない時にふと「二重橋のタピオカ入りジャスミンタピオカミルクティー」というワードを思い出しながら。

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