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晴天の中で雨の話(短文)

雨の日は憂鬱だ。雨が嫌いなわけではなく、むしろ好きだ。大雨に傘もなしで降られてびちょびちょに濡れながら水たまりに足を突っ込んでグジュグジュになった靴の感触を楽しみたい。ただ、雨の日にそんなことをしたら服が濡れるとか、なんか良くないことが起きる気がして欲望に素直に従うことができない。だから憂鬱だ。

傘を差すことは嫌いだ。そもそも手に何かを持つことが嫌いで、買い物もリュックサックを背負ってその中に購入品を入れたい。傘を差すなら一ミリも濡れたくなくて、それもストレスで。雨の日は荷物なんて何も持たずに傘も差さずにびちょびちょになりたい。なぜなのかはわからないが台風の日はその欲望がいつもより何倍増しにも膨れ上がる。濡れたいという願望に加えて走り回りたくなる。まあ、現実では台風の日は外に出ずにぼーっとしているのだが。

今日は雲もほとんどない晴れだ。ウォーキングも日差しが暑すぎて十分ほどでやめて帰ってきた。晴れの日は歩きたくなって、雨の日は遊びたくなって、台風の日は走りたくなる。天気に影響されてたりするのだろうか。その欲望が実現できるのは今日みたいな晴れの日だけだから、やっぱり晴れの日が一番気分がいい。

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