シャローンの初陣4-サイレント ネオ-ムーン ソング

シャローンは西に猛進した。最初は単騎駆けであったが、しばらくすると口から泡を飛ばして叫びを声をあげるミトの護衛隊が追いついてきた。
「シャローン様、お待ちください! 単騎駆けなどもってのほか、しばしお待ちを!」
西門まで30キロ、まばらに木がたっているところで、シャローン達は小休止する。兵士の中にはコクピットの中で、あわててチョコバーなどを食べて、腹ごしらえするものもいた。
間もなく、コンクエスト党も追いついてきた。
「シャローン様、コンクエスト党20機、ただいま参陣いたしました!」
シャルルが臣下の礼を取ろうとCAのコクピットを開け、下に降りようとする。
シャローンはそれを制して、
「シャルル、挨拶は不要だ。しばし、待て!」
と威厳のある声で伝えた。
さらに、10数機の無所属の兵士がシャローンの激に応え、ばらばらに集まってきた。

こうして、シャローンの総勢は40数機程度まで膨らんだのである。
しかし、西門には少なくとも2倍のCAがいると予測されることを、斥候隊よりシャローンには伝わっていた。
すなわち相手は少なく見積もって80機である。
攻め手は少なくとも相手の2倍で攻めるべしとは、この時代における兵法の常識である。
40数機ではまるで足りないのは明らかだ。
だが、ここでぐずぐずしていれば月歌の動揺はさらに広がるのは明白だ。
西門には北閥の兵士も入っている。
北閥の勢いを止めるためにも、西門の北閥勢は何とかしなければならない。
北、西、南の各門が造反した以上、短期決着をつけて西門を取るべきだとシャローンは判断していた。

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