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極秘資料-テディ・D 報告書n1-サイレント・ネオ-boy meets girl-

それはあまりに不気味でグロテスクでした。
そのCAは胴体から上しか存在しません。
顔はモノアイ型であり、起動すれば左右に忙しなく一つ目が動きます。
脚部にはうようよとした無数のパイプが伸びており、蛇のようで不快でした。
何より驚かされたのはその背中から飛び出す無数の円盤です。
その円盤はまるで意志を持っているかのように、空中を自由に飛び回りました。
機体は実験機とだけ呼ばれており、名前さえなかったのです。
その実験機には、テディ・Dと呼ばれるいたいけな少女が乗っておりました。
-ネメシス研究所の無名兵士-

98番は心を閉ざしており、ほとんどの大人を信用しておりません。
何でも両親はたいそうな大富豪だったという噂ですが、定かではないのです。
わかっているのは彼女は父親からひどい虐待を受けていたということです。
ここに来る前は孤児院で過ごしていましたが、最終的にこの研究所に引き取られてきました。
まだ、年齢は15歳にすぎません。
彼女はいつも”テディ・D”と刻まれた小熊の人形を大事そうに抱えていました。
-カヒミ・カミィ(研究員)-

98番は間違いなくSS(超感覚)の持ち主です。しかも数少ない…私が知るところ月歌で初めて確認された”不安定型SS”です。
しかし、私は大きな過ちを犯しました。
過剰な投薬は、彼女の精神を大きく阻害しました。
戦況はひっ迫しているとはいえ、早急な開発は大きな副作用を伴うのです。
つまるところ、プロジェクト・ノアは、人類が手を出してはいけない領域なのです。
ああ、神よ、我を許したまえ。
我を恨む子供たちよ、そちらにいって私は永遠に頭を垂れるだろう…。
-バーン・カミィ(研究所 所長)-

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