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ソック、サシャにたかる1-サイレント・ネオ-boy meets girl-

ブラト……砂漠地帯の名も知られていない小さな街。
妻に家を追い出され、後輩のナウマンを頼るも、街に置き去りにされた中年のソック。
宿無し、一文無しのソックは、仕方なく路上に出て下手なウクレレをポロンポロンと弾きだした。
すっからい夜も更けて砂漠の寒空に、その音はあまりに悲しく響いていた。
「ジャック・ソック、斥候隊では副隊長…」
砂漠といっても夜は冷える。アロハシャツ、短パン、ビーチサンダルというかっこうのソックは、思わずくしゃみをしてぼやく。

「全く世も末だ…誰も金をめぐんでくれないどころか、近づいてもきやしない!」
行き当たりばったりでウクレレの流しで稼ごうにも、歌も演奏も全くなっていない。
おまけに、このかっこうである。不気味に思って誰も近づいてこなかった。
無精ひげのソックは、実のところもう3日もコーヒーと紅茶以外、何も口にしていない。
しかも、この寒さである。ソックは両腕を抱え震えながら、
「このままでは本当に死んでしまう!」
必死だった。

それを遠くの車の中でオジャムとサシャが見ている。
ムサシとテディ・Dは宿を探すため、トレーラーを離れていた。
「ねえ、あのおじたん、なにしてるの?」
サシャは人差し指を加えながら、不思議がってオジャムにたずねた。
「あれはね、楽器を演奏して、良かったらお客さんからお金をもらうんだよ」
「でも、だれもいないよ、まわりに」
「うん、もう夜遅いし…それに、あのおじさん、あんまり演奏がうまくないみたいだね……それにしても、テディ・Dとムサシ、遅いね。僕も見てくるよ。サシャは車の中にいるんだよ」
オジャムは心配になって、宿を探しに出てなかなか戻ってこないテディ・Dとムサシを呼びに出かけた。

BGM

-登場人物-

テディ・D:ゴスロリの格好をし、腕には9.8と数字をほり自死がんぼうがある少女。
オジャム:お飾りの提督をしていたが、父親をころされたあげく、砂漠に追放された。命からがら助かり、ゴサクの家で豚小屋などを掃除して糧を得ている。心優しい少年。
サシャ:誘拐船でオジャムと出会った6歳の女の子。勘が鋭く、ゴサクに気に入られている。その正体は…!?

ムサシ:地球(テラ)・ネオ東京出身の19歳の青年。愛機サイレント・ネオをあやつり、第5次地球・コロニー戦争において100機墜としを達成、英雄認定及びスーパーエースの称号を得た。地球のCAリーグにも参加している人気パイロットでもある。しかし、戦う意味を見失い、月歌に放浪の旅に出る。

ソック:ムーンキングダム・斥候隊副隊長。ボーナスをなくしてしまい、恐妻トド子に家を追い出された悲しき中年男性。

シャギ:極悪非道の仮面騎士と呼ばれる男。若いころは、義侠を持ち黄金のシャギと呼ばれていた。青年時代に地元の若者たちと悪党を結成、砂漠地帯で暴れまわったが、ゲンバ提督の娘に手を出したことで怒りをかってしまう。顔を切り刻まれ、腕と足を切り落とされたあげく、投獄された。しかし、復活後は人が変わったように残酷になり、シャギ党を結成して、ついにはカイバの提督の座を強奪するに至った。

ムドー:月歌だけでなく、コロニー連合などで十数年の間、傭兵として戦場をわたりあるいてきた猛将。残酷な攻撃をすることもあるが、騎士道と義理を尊ぶ武人。シュトライツァー党では義兄弟のシュトライツァーの副将として活躍、北国随一の武将とまで呼ばれるにいたった。ダークブルーのパンツァーを愛機としており、精鋭の青備え50機を率いる。

ガスズ:ムサシのライバル。CAリーグでは常にムサシと同時に昇級しており、何度か土をつけている。黒いCAヤシャをあやつる。唯我独尊を地で行く男。

マギー教授(おねえ)とみなみちゃん(アイドル):一年前に地球(テラ)から月歌に向けて出発したが、未だに到着せず。
かつてスーパーエースだったマギーは戦闘での怪我のため、現役を引退して士官学校で教授をしている。裏の顔はおねえである。

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