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剣客商売 第3巻第2~4話

さいしょに。

※ネタバレありありです!ご注意ください。
 本記事は第3巻を担当します。
➀テーマ「江戸歩き」なので、第1話「東海道・見附宿」は除きます。
②作成中、長くなりましたので、(当記事は)第2話~4話迄で、いったん切ることにしました。
③5話以降は別記事となります。
 なお、本記事は第3巻2~4話の初出場所のみ探します(以降の記事もすべてそうなる予定です)。
※小兵衛の家などの、いつもの場所は地図A(下段)にまとめました。
※本文抜書の「51)」は、文庫本のページ数です、私自身の備忘録として入れさせていただいております。
では。ご一緒に楽しんでいただけましたら嬉しいです。
●タイトル画像の赤富士は葛飾北斎ですが、第2話のは、池大雅です。


第2話 赤い富士

 小兵衛の隠宅は村雨坊によって焼失、不二楼に寄宿している。床の間の掛け軸の富士を気に入った小兵衛は新居に飾りたいと思っていた。
 そんなある日、不二楼のオーナー、卯兵衛が真っ青な顔をして小兵衛を待っていた(恐喝!)小兵衛はおはる船頭の力を借りて犯人を追う。

地図

舟による往来、堀川にも舟が乗り入れることができた。卯兵衛が浮気した「奥山」はこの画像の外(上)ごめんなさい。

抜書+関連切絵図

 60)大井半十郎 (乗っている舟は)➀両国橋をくぐり、②新大橋をすぎ、③三ツ俣から④浜町堀(※埋め戻されて緑道になっている)へ・⑤高砂橋の下へ舟をつけ、(上陸)・・船頭は引き返していく。
 半十郎たちは、久松町から右へ切れこみ、そのあたりに⑥密集する御家人の住宅(百俵どりの御家人・村上源平)の一つに入って行った。

北は上。右下三ツ俣から舟は堀へ入り、高砂橋下で止まる。右岸、久松町の御家人の家へ
真ん中に牧野遠江守の屋敷アリ。あれ???

 63)つい1と月ほど前のことであったが・・・上野の仁王門・門前の料理屋〔鯉屋忠兵衛〕方でひらかれた同業者の寄り合い。三河屋八右衛門(芝・宇田川町の小間物屋=嘘)・・・「一刻後に山下の翁庵でお待ちを」
 そのときの寄り合いの仲間:本郷六丁目の味噌問屋〔伊勢屋利助〕・浅草・南馬道の料理屋〔山野屋昭七〕(※こうした寄り合い関係者は事件無関係と見て地図には起こしていない)※は私からの「註」
 ⑦奥山にある「玉の尾」小さなひっそりとした料理屋(※奥山とは、浅草寺裏一帯をいうらしい)(で、卯兵衛は内緒ごと。相手はお喜乃)
 お喜乃は、越後・村松三万石、堀丹波守の上屋敷(上野広小路)に奉公。
 およし(卯兵衛の妻)は、同業者〔梅松屋政五郎〕のむすめで、新橋加賀町の大きな料理茶屋・梅松屋から嫁ぐとき、持参金で不二楼を救っている。
 約束の場所は、橋場からも近い⑧石浜神明社の北の鳥居前だという。

 72)④浜町堀の⑤高砂橋で舟を降りたとき、すでに夕闇は濃かった。
 久松町の角を入っていくと、⑥御家人屋敷・・・家長:村上源平二十三歳(亡くなった先代は小兵衛の弟子であった、親身に話を聞く)
 姉、お喜乃は、三年前に、本所・石原町に住む御家人・井口直五郎へ嫁いだが、もどって。
 大島弥十郎は先代と顔見知りの剣客で、前から、よく村上家へ出入りしており、⑨深川の吉永町に小さな道場をかまえているそうな。

 小兵衛は④川岸道を③三ツ俣の方へ歩み出した。このあたりの浜町堀の両岸は武家屋敷のみで、まったく人気が絶えていた。
 竹の杖をついた小兵衛が秋山但馬守・中屋敷の塀外にさしかかったとき・・対決・・浜町堀へ落ち込んだ。朧月夜であった。
「墨堤(どて)の桜(はな)も満開というところで・・・」

※太字はポイント箇所ではありますが、煩雑になるので略としました。
なお、大島弥十郎が切られた(堀へ落ち込んだ)秋山但馬守屋敷は秋元××と切絵図にある場所としていいかと。

第3話 陽炎の男

 三冬は風呂に入っていた。湯気(陽炎)の中に愛しい人の面影を追うが、どうも憧れていた小兵衛ではないらしい。自分でもわからない、恋の始まりのころ。お話の方は、ちょっと「鬼平」の気配が漂う泥棒譚。

地図

襲われた寮は➀の菓子舗のそば。この菓子舗は、襲われた三冬が助けを求めた店。
犯人の潜伏先は偶然にも前回(赤い富士)の御家人の家のそば。この辺りは旧吉原で大きな事の後吉原が浅草に移った後、

抜書+切絵図

 88)➀坂本三丁目の菓子舗〔布袋屋〕(現地図:下谷坂本町)
 90)「泉屋さんは三年前に、②神田鍛冶町の書物問屋・秋田屋の仲介で、井村松軒というお医者さんから買われた」
 98)日本橋・住吉町の墨筆硯問屋〔木屋孫左衛門〕方へ使いに行った手代が女を見た。竃河岸の道を浜町堀の方からやって来、毛ぬき鮨の〔笹屋〕と蕎麦屋の〔翁屋〕の間の細道を入って行った。突当りの小じんまりとした二階屋

 売った金は、秋田屋が京都の三条・白川橋上ルところの〔津国屋〕という旅籠気付で送ったが、井村松軒の礼状も届いた

切絵図※haruka註)竃河岸(ヘツゝイカシ)とある。ここは、前話「赤い富士」で御家人の家があった辺り。前回の切絵図を使いまわしてみた。
 住吉町の墨筆硯問屋へ使いに来た手代が、帰途、女を見た、女は浜町堀(竃河岸と直行する堀/現在は緑道)から竃河岸に入ってきて、店屋の間の道を入ったとのこと、難波町あたりか? ←犯人の潜伏先

現在は人形町辺り、切絵図:国会図書館デジタル

 102)松軒は、竃河岸へ出て浜町堀をわたり、④久松町の〔千鳥そば〕という蕎麦屋へ入った。千鳥そばの名は、この蕎麦屋の近くの、浜町堀にかかっている千鳥橋からとったもので店名は〔十一屋〕という。
 108)大場平七郎(大場先生と呼ばれていた) ⑤小網町のあたりで、露地を入った奥の小さな家に入り(平七郎は松軒とは親類同士で恋敵。彼の人は今は平七郎の妻)
 111)見張りの粂太郎が戻り。
「浪人が家を出まして・・本所の北森下町の、⑥五間堀の淵にあります剣術の道場に入っていきました」
 haruka註)この道場主らは助っ人になった方々であろう。
 haruka註)五間堀は昔は川であったが、掘削して堀川(運河/人工川)とした。五間とは幅10m。川としては大きい。跡地は公園になっている(訪問候補)。

第4話 嘘の皮

 「嘘の皮をまとって誠を通せばよいのだ」最後に小兵衛が言う。どうしようもない人生、真実(ここでは愛)を全うするために苦い選択をする少女。

地図

抜書

 124)小兵衛は今戸橋に。➀浅草・駒形町に店を出したおもと・長次を訪ねんとして。
 127)➀駒形堂は、大川に面した駒形町の河岸にある。
 本尊は馬頭観音で、〔浅草寺縁起〕によると、天慶五年(1942)に、安房守・平公雅が浅草寺観音堂を造営した折、駒形堂も建立したらしい。
 往古(むかし)は、この駒形堂のあたりに、浅草寺の総門があったそうだ。
 寛永二十年(1643)に発行された〔印本・東めぐり〕という書物に、
「・・・駒形堂の近辺、並木の桜花爛漫たるよしを記せり」とある。
 石垣積みの台上に建てられた駒形堂は、しごく小さなもので、正面は大通りから大川の方へ切れ込んだところにある。
 二人の男が若い侍を押さえこみ、きらりと刃物・・侍の名は村松伊織。
 無頼は小兵衛が撃退。

 突き殺そうとした無頼者二人。
 ②浅草・元鳥越町陣内橋・北詰にある〔寿庵〕という蕎麦屋の二階。
 ④浅草福井町に住む香具師の元締・鎌屋辰蔵の乾分の者

 ③神田・お玉ヶ池の村松邸(五百石の旗本)
 haruka註)お玉が池という住所があるわけではなく、当時も「松枝町」だったらしい。

「私は、その、甘いものが好きで・・⑥すぐ其処の天王町の梅園で知り合い
 上野の不忍池の出合茶屋で・・」

 ④鎌屋辰蔵の家>155)浅草福井町の銀杏八幡の小さな社の裏側に、家があった。間口三間半~
 ⑤傷心のお照は、南馬道の料理屋・稲屋勝治郎方へあずけられている。
 のち、鎌屋辰蔵は根岸に家を買って隠居した。

第5話以降は、別記事へ

 情報量が多くなりましたので、別記事といたしました。
第5話 兎と熊
第6話 婚礼の夜
第7話 深川十万坪

 いつもご訪問いただき、ありがとうございます。
 お陰様で実力以上の更新をさせていただき、ときにおたおたしつつ、楽しませていただいております。
 今後ともよろしくお願いいたします。









地図Aについて

 ふだんの暮しの見かけをちょいと剥いで、時間旅行に行きませんか。
 「剣客商売」に住む方々が暮らす界隈など、いかがでしょう。
 なお、くりかえしの場所は「地図A」にまとめました(マイマップでは『剣客商売・基本地図』)。 

〇地図説明・・・不要の方は飛ばして~地図は下です。

・えんじ色の丸に囲まれた数字と、凡例の数字がリンク。クリック(タップ)するとタイトルと簡単な説明が地図の向かって左に出ます。
・スマホの方にはキャプションがずれているかと。ごめんなさい。
・拡大縮小も自由自在で、触っただけで位置が行方不明になることも・・・汗。立ち上げなおすと初期状態に戻りました。
・拡大して全画面がお勧め(地図上バーの右端□)。
・パソコンで見ている方は、スマホへ送ると便利なんだけど・・・実験したけどうまくできません。このページをスマホで開いて、全画面にしたら地図で使えるようです。よろしければ使ってみてくださいね。
・お読みいただき、ありがとうございます。

https://www.google.com/maps/d/edit?mid=1PkJ6k-W6gaxshASCQdc7BXX84QraPN8&usp=sharing

 ご覧いただきありがとうございます。今日も良き日でありますように。

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