見出し画像

お金持ちになれる黄金の羽の拾い方 橘玲(4/100)

「金持ち父さん貧乏父さん」を以前読んで、考え方は理解できるものの、アメリカの法律や常識を基に書かれていて、日本に応用しづらいことに知識の使い勝手の悪さを感じていた。その時に日本版の本があると知り、それがこの本だった。

橘玲さんの名前はNewspicksなどで知っていたが、本は初めて読んだ。物事を論理的、客観的に観察し、明快に語られる文章に感動し、久しぶりに他の著作ももっと読んでみたいと思った。

本書では、資産形成と人生設計について、経済合理性の観点から記載している。資産形成については、株、不動産、保険等を幅広く扱っている。これまで詳しく知らなかった日本の税法や社会保障制度について今後の将来を見通した上で詳細に述べられていて、かつ結論はシンプルである姿勢に非常に好感を持った。ぜひ多くの人に勧めたい一冊。

黄金の羽とは

【黄金の羽】制度の歪みから構造的に発生する幸運。手に入れたものは大きな利益をもたらす。

本書の黄金の羽の定義である。具体例として、日韓WCのチケットや出版業界の制度の歪みから説明している。確かに、これだけ変化が早い社会では、制度の歪みが顕在化するのは、これまで以上に早くなると思ったし、日本社会にはこの歪みが数多くあると大企業で働いた経験も踏まえて強く実感した。

筆者は、黄金の羽のありかとして、日本社会の制度がサラリーマン(+公務員)を基準に作られているところから説明している。これが冒頭で述べた税制度や社会保障制度であり、個人と法人2つの存在をうまく活用すれば、所得税、年金、社会保障保険料を限りなく少なくすることが可能だと述べている。

これには賛否両論あると思うが、サラリーマンは税と社会保険料を合わせると、生涯1億円国に払っている事実と多くの資産家は、自営業者や中小企業の経営者である事実は知っておくべきだと思った。おそらく自ら情報を取りに行かなければ、この事実に気づかぬまま一生を終えるだろうし、そうした選択肢があることにも気づかないだろう。

こうした背景から本書の人生設計の結論は、「自分の好きなことをやる」とシンプルに主張している。おそらく最初にこれを話されても全く納得できないが、結論を最後に持ってきているのがうまいと思った。資産形成方法と現代社会の特徴、日本社会の歪みから考えると、幸福度と金銭的な問題を解決する最適解のように感じた。

好きなことをするためには、様々な条件をクリアにしながらければならないが、まずは自己分析からだろう。今後の人生設計も含め再度深掘りしたい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?