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なぜあの人は振り返らないのに上手くいくの?『未来少年コナン』自信の方程式

本記事では、宮崎駿監督のアニメ『未来少年コナン』の主人公が次々と迫り来るピンチを「なぜ振り返ることなく、クリアしていくことができるのか?」ということを大真面目に考えてみたら、普通の人が自信を持つために、振り返りがめちゃくちゃ効くことが分かった。という話をします。

未来少年コナン

未来少年コナンは、1978年から26話にかけて放送された、宮崎駿のTVシリーズアニメ初監督作品です。

未来少年コナン

描かれるのは、多くの都市が海に沈んだ最終戦争から20年後の世界。主人公の”コナン”は、「のこされ島」と呼ばれる小さな島で”おじい”と二人平穏に暮らしていましたが、ある日海岸に漂着した少女”ラナ”と出会います。しかしラナは巨大兵器復活を目論む、科学都市インダストリアの者たちにさらわれてしまうのです。コナンは島を離れ、ラナを取り戻すためインダストリアに向かいます。

振り返らない、コナン

ふりかえりは、物事を上手く進めていくために、とても有効な方法と僕は思っています。しかし、本作で主人公のコナンは一切振り返ることなく、果敢に前に進んでいきますが、それでもめちゃくちゃ上手くいっているのです。

「そりゃアニメだからね」というのはもちろんありますが、それで終わらせるには非常に勿体ないと思います。

さっそく結論ですが、
なぜコナンは、振り返らなくても、めちゃくちゃ上手くのか?

おそらく理由は、
「主人公に経験が少なく行動にブレーキがないから」だと思います

私たちが振り返りを始めるきっかけは、周囲の目線が気になったり自分の思いを伝えられなかったりという自分を「変えたい」「変わりたい」という思いがスタートにあったりします。

つまり、既に何か固定化した価値観のようなものがあって、それを通して日常を見てしまうからこそ、振り返って何とか捉え直そうとするのです。価値観は判断基準になります。判断基準は”何を優先するのか”ということですから、「ここぞ!」という時に勇気が出なかったりするのは、「勇気を出して行動したら恥をかいた」などの過去の経験がブレーキになっているからです。

小さな島の豊かな自然で、おじいと二人で暮らしていたコナンには、常識というものがありません。人との交流もないので、誰かに否定されるという経験もなく、怖い物知らずです。そもそも大きな失敗をすれば、命を落とすのが自然界の常ですから、彼が生きていること自体が自信の証明になります。

第1話で、コナンはサメと戦いますが、仕掛けた罠がサメに効かず、ピンチになります。しかし、何とか倒すことに成功し、「やったー!!」と飛び回って喜ぶのです。
彼は罠が効かなかったという失敗を経験していますが、やはり最終的に勝ってしまうので、脳は一連の出来事を成功と捉えます。

コナンを育てた”おじい”は、元々宇宙船のクルーですから、とても頭の良い人だと思います。コナンはそのクルー仲間の子どもなので血は繋がっていません。だから、客観的にコナンの成長を見守ることが出来たのだろうと想像できます。

人間は原始時代より、他者の目をとても気にして生きてきました。なぜなら、周りに嫌われる、社会的な孤立というのは、周囲の協力を得られなくなることであり、それでは狩りもできず、いつ誰に殺されるか分からない。ほとんど死を意味していました。

しかし、人間関係は”おじい”だけで、周囲の目を持たないコナンは、まさに怖い物知らずです。彼は、銃の前に躍り出たり、高いところから飛び降りたり、と視聴者がハラハラするようなことを平気でします。これは彼が単にアニメの主人公だからだけではなく、彼の育った環境からも納得がいくのです。

不安の種は、経験から。

しかし、そんな彼が不安になる時があります。それは少女”ラナ”が危険に晒された時です。自信に満ちた彼が他人のことになると心配してしまうのは、のこされ島を旅立つ引き金になったある出来事にあります。

インダストリアの者たちがラナを連れ去るとき、”おじい”がラナを守ろうとして、命を落とすのです。この経験からコナンは他者の危険に対して心を揺らすようになったのでしょう。

しかしコナンは、繰り返しピンチをくぐり抜ける経験の中で、仲間への信頼を深めて、他者の危険に対する不安を克服していきました。物語の終盤では、危険な場所へとラナを連れて行く決断をしています。

このように、質の高い経験を膨大に繰り返せば、経験は更新することができますが、現代社会で生きる私たちが、彼らのようにギリギリの経験を何度も繰り返すことは普通はありません。

だからこそ、ちょっとした日常の気付きを丁寧に積み重ねていくことによって、自分を変化させ、自信を作っていくことが大切です。

普通の人の、最高の努力

私たちは年齢を重ねるうちに、多くの経験を重ねます。その経験をもとに様々なこと想像し、判断していくようになります。

その判断は基本的にはとても素早く効率的で便利なものですが、時に必要以上のブレーキになってしまうことがあります。

例えば私の場合、小学生の頃に「みんなに楽しんで貰おう!」とした行動が、周りに迷惑と思われ非難されるという経験を何度もしました。
それが今でも残っているのか「素直に表現して、否定されたらどうしよう」という自動ブレーキ回路が存在していることを最近のふりかえりで発見しました。

こうなると、周囲が好意的に接してくれても、私の脳内では過去の経験が導き出す”非難されるかも”という想像の方を優先してしまうのです。
目の前の現実よりも、過去の経験の方がリアルで信頼出来るものと思ってしまうのです。

そんな自動回路を読み解き、自分が求める回路に接続し直すのが、ふりかえりです。


さて、2021年も3ヶ月が経ちました、4月を迎えるにあたって、年始の目標を思い出してみてはいかがでしょうか?

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