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もうダメだ、と諦めたとき「振り返り」で手に入れた、幸せという実感

1年前の私が感じていたこと

1年前と比べて、私は今の自分がとても幸せだと感じています。

しかし、環境がそうさせたのではありません。振り返りによって「今がとても幸せだ」ということに気がつくことができたことが理由です。

「幸せは、環境ではなく心境」から来る。これは何年も前から知っていた言葉でした。

どれだけたくさんのものを手に入れても、自分が置かれている状況に、幸せを感じることができなければ、そこに幸福感も生まれないというのは、わかっていたはずでした。

むしろ、そういった価値観を周囲に伝える立場にありましたが、実際自分の頭の中では、「何かを得ることで幸せになれる」と思っていたのです。

1年前の私は、置かれている環境でいえば、今よりもよほど安定していました。

今の私は定期的な収入を得るに至っていませんが、当時は年収もボーナスもあるし、日々忙しくしていて、友人からは頼られていたと思います。

しかし私は周囲の評価に対して疑問を持ち、「もっと自分は努力しなければ、本当に認められる事は無い」と思っていました。

だから、毎日スキマ時間を見つけては努力し、それでも何か足りないと、自己嫌悪の日々でした。でも周りからは頼られる。いつも引き裂かれるような気持ちだったのかもしれません。

それが今では変わりました。おそらく客観的には危機感を感じる状況かもしれませんが、以前よりはるかに心は満たされ、落ち着いています。

その理由を全て振り返りに求めるわけではありませんが、多く部分を占めていると思っています。

叱咤の日々と、限界

私は会社員として働いている間、しょっちゅう上司に指導を受けていました。会議室で数時間のお説教は日常茶飯事でした。

入社時には、元気で活発で自信家だった私は、気が付かない間に、笑顔を忘れ、いかに反省しているかを伝えるための表情が標準装備になっていました。

「このままだと、笑顔を忘れる・・・。」と認識した日をハッキリ覚えているほどです。

はじめの頃こそ、「上司は自分のために貴重な時間を使って指導してくれているんだから、感謝しなければ」という気持ちでいましたが、

何年も何年も繰り返し繰り返し怒られているうちに、だんだんと自信を失い、ときにはどうしても納得できない指導もあって、「この人は、自分の不満を私にぶつけているだけなんじゃないか」と思うことが増えました。

私が反発をすると、上司からは「だったらいい。」と告げられ、1ヵ月間無視され、しかしそれでは業務がままならないので、同僚に伝言をお願する、という時期もありました。

もちろん、私の上司に対する不満は溜まっていき、関係は悪化していくばかりでした。

退職願いから、

「ここに居てはいつまでも成長できない」そう思った私は、上司に退職を切り出しました。

すると上司は、「辞めるのはお前の勝手だが、今やめても、同じことを繰り返すだけだぞ。ちゃんと何かをできることを証明してからやめろ」というのでした。

その頃の私は、会社を辞めたい一心で、会社に行くのが苦痛で、駅から会社まで自転車をこいでいる途中、ペダルが全く前に進まなくなって、でも行くしかないからと、自転車を降りて、トボトボと会社まで行っているような状況でした。

だから、精神的にはかなりギリギリだったと思いますが、それでも心のどこかで、「このまま会社を辞めても、同じことを繰り返すだけなのかもしれない、それはいやだ」と思う気持ちがありました。

それから、今の自分にできることとして、その日の業務の終わりに、何か1つの改善をを上司にメールで送ることをはじめました。

それを毎日欠かさず続け、その2年後には円満退職することになりました。

上司に宛てて送った文章を合わせると2万文字以上になります。
ほとんど苦し紛れに書いたような日もたくさんありますが、個人の振り返りとしては、最も続いた継続的な取り組みです。

この”毎日改善ワンメッセージ”を始めて1年後、上司から退職の許可というか、「もういいだろう」と言って頂きました。

それから退職まで1年かかりましたが、それは会社の都合から上司に頼まれたものでした。

最終出勤日を終え、私は有給消化の1日を使って、全社員さんへ挨拶に回りました。円満退社でしたが、いろいろな都合で、ギリギリまで同僚の皆さんに退職することを伝えることが出来ませんでしたので、最後にしっかりと挨拶をしたいと思ったのです。

丸一日を使って、50人ほどの方に一人一人挨拶をしました。その挨拶の中で、思わぬ言葉をたくさんいただきました。

毎日のように怒られていた私ですから、周囲の評価はとても低いと思っていました。

しかし、かけてくださる言葉は、むしろその反対で、「実は尊敬していた」「この部分を買っている」「ここを改善できるとかなり良くなるよ」など、私のことをとてもよく見て評価をしてくれていたことを初めて知ることができました。

ここに至るために行った、ふりかえりは、毎日の改善報告だけではありません。

長い付き合いの仲間たちや、パートナー、尊敬できる先輩たちと、対話を繰り返すことで、知らず知らずのうちに振り返りとなっていて、少しずつ自分を変えていきました。

「ふりかえり」というキーワード

私がこういった何気なくやっていたことを、「ふりかえり」というキーワードで明確に認識するようになったのは2020年になってからのことです。

ビジネスの分野では、もう当たり前のようになっている「ふりかえり」ですが、まだ一般的ではないと感じています。

「ふりかえり」と検索して、ひっかかるのはビジネスに関連したものばかりです。もちろん、それは大切なことです。

しかし、ふりかえりは、仕事で成果を出すための便利なツールというだけではなく、私たちがいつの間にか見逃し忘れている、幸せの種、幸福の実感を取り戻すための汎用性の高い取り組みなのです。

これをより多くの方に感じて頂きたいと思い、ふりかえりのイベント開催や、ふりかえりの研究をはじめました。

ここでは、私が考える”ふりかえり”について、書いていきます。

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最近、LINEの公式アカウントも作りました、ここでしか話せないことを書いていきたいと思います。
https://lin.ee/kS4I9UP


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