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【不登校】どうして学校に行かないといけないの? ♯3階段の話

こんにちは、ハルジマです。
元不登校・元小学校教員という肩書を活かして、皆さんに情報をお伝えしています。
よろしければ、紙とペンもしくはメモ帳を用意して、一緒に考えていきませんか。

今回は、わたしが、不登校だった頃に、とても不安だったことをお話したいと思います。
ちょっと現実的であり、もしかしたら嫌な話になるかもしれません。
心がすこし疲れ気味の方は、もうちょっと元気なときに、読んでもらえたらうれしいです。

不安だったこと、それは……【先が見えない】ということです。

わたしは、小学校から学校を休みがちでした。
いや、今思えば、幼稚園の頃からかもしれません。
もともと小児喘息を患っていて、体が弱かったのもあり、幼稚園や学校へ行く気がしないと、体調不良を訴えて学校を休んでいました。
きっとこれは家庭環境にも影響を受けている気がしますが、その話はまた今度。
とにかく、学校がきらいな子だったのです。
そのくせ、不思議なことに、学校に行ったら行ったで元気いっぱいで、授業にも参加するし、男の子に混ざってごっこ遊びをして女の子を怒らせるような、そんな子どもでした。
……当時の担任の先生には、頭が上がりません。ご迷惑ばかりお掛けしました。
なので、わたしの場合は、まったく学校に行かないわけではなく、【2:8】ぐらいの【登校:不登校】の比率でした。
中学校になると、人間関係が複雑化して、さらに学校がいやになって、【0.8:9.2】ぐらいの比率になります。
当時はフリースクール等がなかった代わりに、学校の中に、別室登校の部屋があって、そこで同じく教室に入れない生徒と一緒に過ごした記憶があります。ただ、その教室の中でも、一段と出席日数が少なかったと思います。
――しかし、不思議なことに、この中学校で出会った子が、今でも交流のある一番の親友です。彼女は不登校ではなかったんですが、当時も今も、掛け替えのない理解者です。

学校から逃げ続けている中、何をしているかというと、家で、漫画を読んだり、ゲームをしたり、小説を書いたりと、もう好き放題です。
わたしの語彙力は、ほぼ全て漫画や小説、ゲームなどのメディアで培ったといっても過言ではないと思います。
漫画を描いたり小説を書いたりすることが大好きだったので、将来、そういった仕事に就きたいという夢はありました。
でも……。
学校に行っていない自分が、大人になれるのか?
この疑問は、常に、頭の中に渦巻いていました。
そもそも、高校に入れるのか? その先は? もう、大人になる前に、死ぬしかないんじゃないか?

当時は、現在ほど、【不登校】がメジャーではなく、支援の幅も狭かったし、【不登校で成功した大人】のモデルが、なかったのです。
不安で不安で、でも、【学校に行っていないのは自分のせい】なので、こういった不安を、親や先生にも、言えなかった。
そう、前回話をしたように、【無気力・不安】で学校を休んでいる子たちは、【明確な理由】(〇〇のせい)がない分、自分を責めてしまいがちだと思います。(もちろん、他の理由であっても、自分を責めて苦しい想いをしている子はたくさんいるのは大前提です)

そして、当時のわたしは、【今】しか、見えていなかった。
先を見据える力が、なかったのです。
「どうして学校に行かないといけないの?」の問いに明確な答えがなかったように、
「学校に行かないとどうなるの?」という問いにも、明確な答えがなかった。
余談ですが……
わたしは、不登校の子に、ただ「学校に行かなくていいんだよ」という大人は、無責任だと思っています。
不登校だとどうなるか、学校に行かない以外の選択肢(フリースクールや、専門職等)はどのようなものがあるのか、そういったことを全て伝えた上で、選択させる義務があるのではないかと思います。

わたしは、自分が担任した子どもたちに、常に伝えることがあります。
例え小学1年生であっても、かみ砕いて、説明するようにしています。
それは……

人生は、階段のように続いている、ということ。


当たり前なのですが、例えば、今14歳の段にいるとして。
その前の段は13歳、その次の段は15歳。
今までの経験の積み重ねが、「14歳」の段になっていて、さらに、その先に続いていくのです。
それも、終わりなく、ずっとずっと……。
一段一段、たくさん経験があって分厚いものになるのか、薄っぺらいものになるのか。
三年後の段、何をしているのか見据えることができているか、それとも今は空白になっているのか。
どんな過ごし方をしたって、勝手に階段は上っていく。
それならば、「こうなりたい」という目標を持って階段を上れるようにしたほうがいいのではないか。

――これは、わたしが不登校で暗闇の中にいたときに、だれかに言ってほしかった言葉です。

もし、それがあれば、もう少し具体的に、先を見据えることができたかもしれない。
学校に行く意味を、見いだせたかもしれない。

【今】の自分に悩んでいる人がいれば、ぜひ、これから1年後、2年後、どんな階段に立っていたいかを想像して、自分だけの階段を書いてみてください。



どうですか? なんとなーく、一段先、二段先が、見えてきましたかね?
もちろん、回り道をしても、立ち止まっても、薄っぺらい一段になったって、いいと思います。
かく言うわたしも、定年まで続くのかしらと思っていた【小学校の先生】という色の階段が、すっと立ち消え、今は立ち止まっている最中です!笑
人生、何があるかわかりませんね。

さてさて、今回は、学校に行っていなくたって、人生はずっと続いていく、というお話をしました。
次回は、ちょっと具体的に、【どんな未来があるの?】ということを話していきたいと思います。

少しでも、心になにか残れば幸いです。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!

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