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ミスト

鑑賞時の感想ツイートはこちら。

2007年のアメリカ映画。スティーヴン・キングの小説『霧』が原作。突然町を包み込んだ濃い霧によりスーパーマーケットの中に取り残された人々が、不気味な生物たちへの恐怖でパニックに陥っていく様を描いた驚愕のミステリー・ホラー作品です。原題 "The Mist"。

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監督/脚本は、『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』でもスティーヴン・キングの小説を映画化したフランク・ダラボン

出演は、トーマス・ジェーンローリー・ホールデンネイサン・ギャンブルマーシャ・ゲイ・ハーデン、トビー・ジョーンズ、アンドレ・ブラウアー、ジェフリー・デマン、フランシス・スターンハーゲン、メリッサ・マクブライド、ほか。

ぜひぜひ、予備知識なしで観てほしい映画!

ラストが衝撃的な映画」として、とても有名な本作。映画ファンなら、まだ未見の方でもタイトルやこちらの日本版ヴィジュアルはどこかで目にしたことがあるかもしれませんね。

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わたしが初めて本作を観たのは、たまたまテレビで放送されていた時でした。後から考えると「何も知らない “予備知識なしの状態で観ることができて本当に幸いだったなぁ……!」と、心から思います。

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スティーヴン・キングの優れた原作と、監督も務めたフランク・ダラボンの素晴らしい脚本を、100% 存分に堪能できたのですから。

これから本作をご覧になる方には、わたしと同じように、ぜひぜひ予備知識なしで 100% 作品を楽しんでいただきたい!――というわけで、今回はストーリーの内容にはできるだけ触れない形でご紹介したいと思います♩

スティーヴン・キング原作映画にハズレなし!?

前述の通り、本作はスティーヴン・キングの小説』(1980年)が原作。ですから、ストーリーが面白いのは間違いなし!

スティーヴン・キング原作の映画って、本当に面白いですよね! わたし、好きなのです~♡

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○ キャリー(1976年)
○ シャイニング(1980年)
○ スタンド・バイーミー(1986年)
○ ペット・セメタリー(1989年)
○ ミザリー(1990年)
○ IT(1990年)
○ ショーシャンクの空に(1994年)
○ グリーンマイル(1999年)
ほか、多数。

怖いのが苦手なのでホラー系の作品はまだ手を出せていないものもありますが、スティーヴン・キングが紡ぎだす物語の面白さには全幅の信頼を寄せております。本当に、次から次へと、どうしてあんなに面白いお話ばかり思いつくのでしょうね? スティーヴン、おそろしい子!笑

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わたしの映画 note の過去記事では、大好きなスタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』についてご紹介しています。よかったら併せてご覧ください♩

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原作小説の『霧』と映画『ミスト』で最も大きく異なる点は、本作の代名詞とも言える印象的な結末の部分。

映画のあの衝撃的な結末は、スティーヴン・キングの原作によるものかと思いきや――なんと、脚本(&監督)のフランク・ダラボンが大幅に改変した結果、あのようなラストになったのだそう!

ダラボン監督えらい!笑

改変された映画版の結末については、原作者のスティーヴン・キングも大絶賛しており、

「執筆中にこの結末を思いついていれば、この結末にした」

と言うほどだったとか。いやー、返す返すも、ダラボン監督えらい!

(しかし、『シャイニング』の時のキューブリックへの反応とは大違いだなぁ。笑)

映画『ミスト』の結末は、あのオチだからこそ、観る者の心にさまざまな問いが残り、作品の深みが増すんですよね。

わたしは息子と一緒にリビングのテレビで本作を観て、ラストシーンの後、二人で「えぇぇぇぇぇぇぇ~!?!?」となりました。笑

マーシャ・ゲイ・ハーデンの演技が素晴らしい!

さて、『ミスト』に登場する人物で出色の存在といえば、スーパーマーケットで缶詰状態になった群衆のひとり、「ミセス・カーモディ」を演じたマーシャ・ゲイ・ハーデン!(Marcia Gay Harden)

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憎々しい形相で指さしている中央の人物が、別名「宗教おばさん」(笑)こと、ミセス・カーモディ。

この方のお芝居がとにかく素晴らしい! わたしが激推ししている女優さんです♩ これまでの主な出演作は下記。

○ この森で、天使はバスを降りた(1996年)
○ ジョー・ブラックをよろしく(1998年)
○ ポロック 2人だけのアトリエ(2000年)★アカデミー助演女優賞
○ ミスティック・リバー(2003年)
○ ローラーガールズ・ダイアリー(2009年)

わたしもまだ観られていない作品がたくさんあるので、これから楽しみです!

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『ジョー・ブラックをよろしく』でも、彼女の演技にめちゃくちゃ感情を揺さぶられました。

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マーシャ・ゲイ・ハーデンという女優さんが、上手い!! どこかで観た顔だな〜?と思ったら、『ジョー・ブラックをよろしく』の長女役で、わたしをたっぷり泣かせてくれたあの方だった。とにかく上手い!
(『ミスト』鑑賞時の感想ツイートより)

『ジョー・ブラックをよろしく』についての記事はこちら。

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本作『ミスト』で描かれる “スーパーマーケットで足止め状態になってしまった人々” というのは、ある意味、社会の縮図のようなもの。

それぞれが己の考え方に基づいて、様々な判断をし、様々な行動に出るのです。発信する声の大きい者はリーダー格になり、恐怖と混乱で考える力を失った者たちはそれに追従する――。人間って怖いなぁ、と、思わずわが身に置き換えて考えてしまう描写が秀逸です。

スティーヴン・キングは、そのあたりの “人間が心の奥底に持つ怖い側面” を描くのがとても上手!

本作の舞台となるスーパーマーケットにも、バックグラウンドや考え方の異なる人々、自然発生した派閥のようなものがあり、それぞれのキャラクターに「こういう人、きっといるよね」と思わせるリアリティーがあります。

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その中で、物語を大きく動かす「ミセス・カーモディ」の言動は、マーシャ・ゲイ・ハーデンの卓越した演技も相まって、本作を観た人には忘れられないキャラクターとなるのではないでしょうか。

それでもやっぱり、また観たい!

鑑賞直後のツイートでは

映画自体は一回観たらもういいかなぁ…という感じ。ラストの不条理さ…笑。

なんて書いてしまいました。

うん。そうね。直後なら、そう思うよね。無理もない。だって、軽く落ち込むもの……あの展開。笑

でも、またテレビのどこかのチャンネルで、偶然『ミスト』が放送されていたら―― やっぱりわたし、観てしまうと思います。ふふふ。

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おまけ。本作を観たことがある方へ。
こんな考察を見つけました。とっても興味深い良記事です。(ネタバレ注意!)


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