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「親鸞 生涯と名宝展」(@京都国立博物館)に行って来ました!

「親鸞 生涯と名宝展」(@京都国立博物館)に行って来ました!

京都駅の北口から七条に出て東に入り、東山の方へ歩いて行くと京都国立博物館が見えて来ます!大阪に引っ越して来てから初めての京都。私の家の最寄り駅から大体50分くらいで京都駅に到着します。
5月14日付の「朝日新聞」に「89歳の学生生活 妻の贈り物」と題した記事が掲載されていました。それを読むと2019年に妻を亡くした、現在89歳の石瀬博さんが京都に移り住み2021年4月から大谷大学の聴講生で仏教を学んでおられるという記事でした。妻の美子さんは浄土真宗を信仰されていたそうで、博さんはその死生観に近づきたいと思って学ぶことを決められたと書かれてありました!とても感動した記事だったので切り取っておきました!

そんな時、新聞広告に「親鸞聖人生誕850年特別展」というのを京都でやっているというのが載っていました!たまたま、5月4日に高校の同級生と京都で会う約束をしていたので、その前にこの「親鸞展」を見てから行こうと思い立ちました!素晴らしいロケーションの博物館。博物館の向かいには「ハイアットリージェンシーホテル」があります。


ここの博物館は大学院とキャンパスメンバーを交わしていて「学生証」を提示すると割引で見ることが出来ます!一般料金1800円のところ、キャンパスメンバーは700円でした!交通費が出るくらいの割引が有難いです!

親鸞聖人と言えばその弟子たちが彼の言葉をまとめた「歎異抄」が有名です!宗教に共通するのがあるリーダー的な人が出て来て、その人が語る、その言葉を弟子たちがまとめて記述して「言葉」として後世に伝えているということ。仏教だけでなくキリスト教やイスラム教でも同様の事が行われています。ジャンルが違いますが、これは哲学者のソクラテスの言葉をプラトンが「対話篇」などでまとめていったものとも似ています!そこから宗派や学派みたいなものが出来て枝わかれして細分化していくというのは「世の常」なんでしょうか?そうこうしているうちに宗教などの根源の思想が失われていき、自分たちの宗派や組織を守るための集団となっていくのは歴史が証明してくれています!いったい、何故そんなことが起きるのか?自己を守るための防衛本能がそうさせるのか?そんな自問自答を繰り返しています。親鸞聖人の「歎異抄」の言葉で悪人正機説というのがあります!あの有名な「善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや。」というもの。いくつかの本を読んでみるとこの「悪人」とは人間が存在し生きていること自体に「業」が存在しているという前提らしいです。なので、盗みや殺人を犯すという意味の「悪」ということ以前に他の「生」を頂いて生きて行くということの「業」自体が私たちにあるということだそうです!食物連鎖の世界はまさにそれなのかも知れません。


この親鸞の考えていたことなどの仏教思想に、作家の五木寛之さんはとても興味を持たれました!そのことを知ったきっかけが、私が50歳代になった時に50代は古代インドから伝わる用語で「林住期」であると言うということを知ったことでした。古代インドでは「学生期」「家住期」「林住期」「遊行期」と人生を四つに分けて考えていたそうです!そして、五木寛之さんがお書きになっている「林住期」という本を読みました!子育てを終えると私たちは晩年に向かっていくのですが、その前に「林住期」というものがあって(大体50歳から75歳くらいまで)その時期は「好きなことをして過ごしていい年代なんですよ!」ということらしいです!そんな五木寛之さんも50代に小説の執筆をお休みされて、京都に引っ越され、仏教や仏教史を学ぶために「龍谷大学」に聴講生として通っておられたそうです!そうした知見が五木寛之の著書「親鸞」などにつながっていったのではないでしょうか?

このような背景から京都に行って「親鸞展」を拝見させていただきました!木彫りの仏像と絵巻物や掛け軸、そして経典や考えなどを書いた巻物などの書物が100点以上展示されていました!やはり京都や大阪などの関西にはそれらにゆかりのあるものが、たくさんあるんやな!ということが展示を見て実感できました!そして親鸞聖人も最初から「聖人」やなかったということも良くわかります!師と仰ぐ「法然」の教えを継いで「ただただ念じていれば幸せになる」ということを説きました!お布施の額の多い少ないとかは関係ない!とその発言や考え方が既得権益者を刺激し対立し葛藤が生まれました。そうして親鸞は罪人として越後に送られることになったそうです!対立や葛藤があり、島流しのような状態になり、そこから復活していくというお話は日本の歴史でたびたび登場します!それにめげずに自分の信じるものを貫くことが何かを成し遂げるということなのかも知れません。それが実は「信仰」の意味なのでしょうか?

そんなことを考えさせられた展覧会でした!その後、友人が運営している蹴上にある「ギャラリーモーニング」へ「栗田咲子展」が行われていました!

そこから京大の方へ吉田山のある吉田神社の北側にある北白川通の「天下一品」三号店のすぐそばにある「深夜喫茶しんしん」で高校時代の同級生の松村とその友人のピアノの先生、そして同じく高校の同級生の新堂さんと4名でこの独特な世界観で出来上がっているサブカルの聖地のような喫茶店で私は「ギネスビール」を頂きました!その後、百万遍の居酒屋で宴会を終え、この日の半日、京都の旅は終わりました!

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