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療育花育の記録 ともくん#1

ともくんは、平成25年生まれ。
障害名はついていません。いわゆるグレーゾーン。普通学級に1年通い、勉強も頑張りました。
2年生からは、障害クラスに入り、お母さんもともくんものびのびたのしく生活できるように少しづつなってきました。
いきものが好きで、カマキリを飼ったり、抜け殻を収集したり、遺跡を掘りに行くのが好き。いろんないきものにとても興味があり、調べるのも得意。おともだちからは、いきもの博士と呼ばれることも。

20230731「花はいきもの」

親御さんから

かわいい花、かわいそうな花を選ぶということだったので、前日に庭や畑やお店に行って 選びました。
最初は嫌だと言っていましたが、いざ行くと進んで「これがかわいい。」「 これがかわいそう。」と言いながら選びました。すんなり直感で選んだ感じでした。

畑で は自分でお花を切りました。 教室に参加するのは嫌だとずっと言っていましたが、当日ズームが始まるとすんなり座っ て参加ができました。

花を生ける前は、恥ずかしそうにチャラチャラ聞いているような聞 いてないような笑いながら森先生の質問にもあまり答えようとしない態度ではありました が、いざお花を生ける時間になると、人が変わったかのようにものすごく真剣な目になっ て、視線が真っ直ぐにお花に向かっていて、すごい集中力でした。
水切りもちゃんと覚え ていて、10数えてはお花をオアシスにさしていました。1本、1本丁寧にできていました。

先生に作品をみてもらうと調子に乗り始めて止まらなくなり、セキセイインコや虫、ピー マン、花、生きものの図鑑やら次々持って来て飾って笑っていました。満足感がすごく出 ていました。
最後の挨拶は何とかできました。

終了後、私は買い物に出たのですが、帰ったらお父さんと台所に立っていて料理していた のでびっくりしました。こんなことは初めてでした。サラダを作ってくれました。

お花は 食卓のテーブルに自分から飾って、それをみんなで見ながらの夕ご飯となりました。  次の日「ガーベラ、コスモス、しおれてるね。」と言ったら、お水を汲んで来てお花に あげていました。

3日後は、朝、自分から進んでコップ2杯ついできてお花に水をあげてい ました。その後は世話をせず枯れたまま置かれていたので、何度か「お花枯れてるよ。ど うする?」と聞いたら最初は「土に埋めてあげる。」と言ったのですが、いっこうにせず 、その後また聞いたら、「「燃やしてあげる。」と言いましたが、手付かずでした。
「お 花を燃やしたらどうなる?」と聞いたら、「雲になる。」と言って、「雲になったらどうな る?」と言ったら「畑に来てまたできる。」と答えました。その後もずっと「どうする?」 と聞いても手付かずでした。
ついに私も限界になったので、17日、新聞紙に包んでゴミに 出そうと言ったら、すんなり新聞紙に包んだ後、「やっぱり燃やしてあげる。」と言って 花束のように新聞紙で枯れた花をくるんで部屋の隅に置きました。
18日、一緒に家の前の 畑で燃やしました。「燃やしたら煙になって雨になって畑に降ってできる。」と言ってい ました。

いつもは言っても言ってもしないことが多いのですが、花育をする前とした後では、積極 性が違うなあと思いました。花育後は、機嫌も良く積極的に料理をしたりして自ら動いて いたのでびっくりしました。
とても素直になっていました。何でも素直に「は~い 。」と言ってやるのでびっくりしました。 嫌だと言っても参加させると、けっこうやる気を出して集中してやるんだなあと思いまし た。
お花のお世話も最後まで一応できたので慈しむ心も育ったように思います。

写真記録



検証と考察

現場から

・花はいきものであることを説明。
・庭の花と買ってきた花を使っていた。
・花をいけた後、自宅にある自分のいきものたちをどんどん持ってきて画面で見せてくれた。
・次の段階へ追加してみた。◆あいさつ(始・産) 返事(生・コミュニケーション) あとしまつ(死・次への準備) 感謝(共生・関り)の話。

 

印象記録


  • 創作し始めると無我夢中でしっかり集中し、落ち着いていて、思考とこころと丹田の気がひとつとなって通っていた。気が入っていた。

  • それを体感したことで、どんどん自分の持っているセミや昆虫たち、飼っているインコやいろいろな生き物たちを花のそばに持ってきて作品に足した。⇒(ひとつ感覚)⇒(いきものとの地球での共生感覚)。

  • 創造力が素晴らしい(親談)=本人は元々知っていることなのではないか。


なぜ、やる気になったのか?を考えたとき、推測の域だが、ともくんの持っている死生観やいきものに対する思考などを、理解されたという喜びだったのではないかと推測。これはまた追って変化する可能性有。


次回考察

①集中力
 なぜ、真剣に見せたことが無いほどの集中力が発揮されたのか?

②初めて料理に取り組んだ
③自主的に花に水やり
⑤積極性
 なぜ、したこともないことを自主的にやる気になったのか?
 
〇なにか、うれしかった、希望が湧いた、初めてをやりたくなった、理由があるはず。

④母親からの促し
 なぜ、すぐにしなかったのか? 
〇セミの抜け殻やカマキリの死骸など収集していたことと、同じ感覚がどこかにあるのではないか?
 
⑥嫌だを参加へ
 なぜ、嫌だったのか?
⇒やってみると想像と違ったのではないか?


to be continued



2003年から一万人以上の方に花育をしました。現場でどんな風に、どうしたか、結果どうか等、遺さないまま頭の中にあり、書きのこして、いつか誰かの役にたったらいいな、と思い書き始めました。サポート励みになります。活動費として使わせていただきます。よろしくお願いいたします。