プチオフグリットから始める無農薬無添加おにぎりキッチンカー開業の経緯(本編)
どうやってやるか
前編でつらつらと想いを書くうちに、頭バーンなってキーボードのキーが陥没なりかけたので、ここからは現実に落ち着く。
約5年かけて培ってきたこれらの気づきや想いを、実際どうやってローカルの仲間や、都会のママさんたちにも、伝えていけるかなってところを考えていくこととする。
はじめは、お漬物屋さんていいな、と思った。しかし駅前にある地元のお店やチェーンスーパーに足を運ぶと、地元のおばーちゃんたちが作ったであろう色とりどりのお漬物を見かけ、常に売れ残っている実態を知る。
そして、おばーちゃんたちの経験値には完全にかなわないし、そもそも戦っちゃいけないな、と思う。
自分で作った野菜を加工して、地域に出すっていう、私がこっちに来てめちゃくちゃリスペクトするその循環の応援団をしたいのであるし、私はおばーちゃんたちのストーリーを、まさに若い人に伝えたいのだ。
あと、核となる想いに、どんなに忙しくても、子どもには食事をきちんとさせたい、ご飯だけは手を抜きたくないっていう信念のもと、一食を賄えるものがいいな、と思った。
そしたら、日本人のソールフードであるおにぎりと味噌汁、漬物セットでしょ、となった。おにぎりなら片手でいけるし、手軽につまめるし。
さらに、私は子どもの頃に何度かみたことのある昭和のお豆腐屋さんの引きグルマにひっそりとロマンを感じており、郷土愛ダダ漏れながらに、ぷおーんとラッパを吹いてみたいという欲求がある。
完全に商売を知らない夢見る乙女おばさんではあるが、そういうわけで移動販売をやってみたい、という愉しみだけで、自分の中であれよあれよと話が膨らんでしまった。
そしたら、こんな感じになっていた。
ちょっと、この軽トラのキャラ立ちについては後で弁明させていただきたい。
どんなこだわりがあるのか
出来立てほっこり感を届けたいので、注文されてからおむすびを結びたい。
クオリティはともかく、私は料理がめっちゃ早いのが特性だ。
日々子育てや地域の行事に率先し鍛え抜かれた分厚いおててで、おにぎりも高速で握れる。
パンみたいな手で握るおにぎりっていえば想像しやすいだろうか。
もはや10年前の結婚指輪なぞ入らない、「働き者のきれいな手」である。(ナウシカ風)
ちなみに今、酵素玄米おにぎりを試作中だが、これが難しい。。。出来立てはとても美味しいのだが、冷めると味が落ちるという。ややボソボソっていうか。常温で少し時間が経つと出てくる酸味も気になる。あと、食中毒とかもリスクが上がるし。でも、酵素玄米って、ほかほかはもっちりしててうまいのだ。これ、子どもたちみんなに食べさせたいなぁ。
この写真は、小学生の娘が全部ひとりで握ってくれた発芽酵素玄米いろいろおにぎり。
気持ちとしては、まさかのテイクアウト禁止!にしたいんだよな。キッチンカーなのに。笑
「あったか酵素玄米おむすび握ったからさ、ほらほら、私の目の前で今すぐに食べて!椅子とかないけど!」と言いたい。(どんなサービスやねん。いや、実際目の前で食べてもらったらやりづらいから困るんだけども。)
白米は、やはり冷めてもそれなりに美味しいし、誰でも買いやすい。
でも無農薬無肥料で育てられたお米くんたちの心の声が聞こえる。
「いやいやお嬢ちゃん、精米丸ハダカってことはないでしょうよ。
ぬかや胚芽にいかほどの栄養価があるのか、あなどらないでいただきたい。どんだけこだわっておいらが出来上がったんか知っとんかい〜。」
ということで、今のところの着地としては分付き米で考えている。
あと、嬉しいことに、お友達ファミリーもたくさん応援してくれていて、この写真はお友達の子どもたちが考案してくれたお野菜玄米おにぎり。お庭の野菜をふんだんに使ったそうだ。かつお節がきいていて、ふわりと優しい味。小さいお手てで私のために握ってくれたのかと思うと、涙がにじむ。
はい、君も一緒に軽トラ乗ってもらうに決定。笑
それにしてもおにぎりって、とつても奥が深いのねん。水や塩にもこだわると全然また味が変わるし。
脳みそがおにぎりに行き過ぎてしまったので、話を進めると、とにかく材料は町内、または県内で調達することにこだわる。
就農したての若いファミリーが作る自然栽培の野菜や、ベテランの方の有機野菜、お米、調味料、魚、海苔等を使わせていただく予定。
自分の作った漬物はもちろん、地元のおばーちゃんの漬物も出したい。こだわり生産者とこだわり消費者をつなぐ。
コンセプトに伴い、肉と乳製品の使用予定はなし。
おにぎりは竹の皮で包んで、味噌汁の容器もエコフレンドリーで、って想像してたら、皮もバイオマス容器も扱う、しかもオシャレな容器を作っている企業さんが岡山県高梁市にあった。めっちゃ素敵。
しかもサンプルとか即送ってくれて、ハイもう決定。
目標としては、竹の皮も自分で作れるようになりたいが、私はいつも欲張りすぎて死ぬタイプなので、まずはできるところから。
▽オシャレ容器がたくさん♪ 株式会社松本さん
http://www.takenokawa.com/corporate/index.html
あと、リユースとか自分で器持って来てくれたらサービスさせていただく、というのも思案中。ドイツでやっている、リターナブルカップという仕組みも素敵だなぁと。ここもそういう町に、していきたいなぁ。
▽ドイツのリターナブルカップの記事https://project.nikkeibp.co.jp/mirakoto/atcl/global/h_vol12/
どんな人に来て欲しいのか
やりたいことは、
・あったかい素朴なご馳走を届ける
・人と人をつなぐ
・暮らしに安心感をもたらす一助になる
・自然を身近に、持続可能な循環社会を目指す
カッコつけると、そういうことになるわけだが、とりあえず前述した通り、お客さんのイメージは東京時代の私だ。「子どものためにちゃんとご飯したいけど、ちょっと今日は大変で料理作れないかも」という状況の家庭のお助けママとなることが、一番にやりたいことなのである。
子育てって、けっこー孤独だし。今の日本のママって、本当に大変だと思う。本当は社会でも活躍したいし、子どもを最高の環境で育てたい。そう願って努力しても全部を手に入れることって今の社会の仕組みや人々の意識から言ってもかなり難しいのではないだろうか。
何かを諦めるか、諦めないなら男性の2倍3倍は頑張らないとそこには居られないっていうか。
そんないっぱいっぱいの若いママたちの話を聞きながら、「ウンウン、分かる分かるよー、大丈夫だよー」って愛を込めておにぎりつくっている絵を想像している。
そしてわけっこパークのような遊び場に、このトラックが出没して、みんながもっともっと森に行くきっかけになればいいな、と。
▽わけっこパーク
http://wakekkopark.jp/
人は、自然から離れすぎてはいけないのだ、と強く思う。
地球に負担をかけないように、とか考え出すと、車じゃなくて馬で売りに出られないかとか真剣に考えだすのだが、はやる気持ちをドウドウしつつ、こうなるとキッチンカー も手作りしたくなってきたぜベイベ〜 っていうことで、変態的こだわりのキッチンについてのお話は、また次回に続く。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?