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なぜ映画が好きなのか

 なぜこんなに映画が好きなのか。楽しいから、わくわくするから、映像と音楽とストーリーの組み合わせを味わえるから……。今日、映画を観ていて楽しいと感じる瞬間に一つ思い当たった。

 これまで観てきたものが「繋がる」瞬間だ。監督やテーマや俳優が意外なところで繋がり、自分の別の趣味と関連したとき。
 例えば、私は数年前『愛について、東京』という映画を観た。在日中国人や留学生を主人公に、日本の中国人差別や行き場のない主人公たちを描いた映画だ。なかなか衝撃的な映像だったので、監督のことが気になっていた。けれど、監督の作品を続けて観ることはなく忘れていた。
 昨年末、図書館で『特攻服少女と1825日』という本を見つけ読んでみた。(小さい頃好きなドラマは『ごくせん』だったし、「ヤンキー」(表象)に惹かれるのだ…..。あと、今ハマってるコンテンツのキャラクターがなんとなく「ヤンキーっぽい」せいもあると思う)。今日、本を返却するにあたり、著者が紹介していたほかのヤンキー本や映画をメモしておこうと思い立ち、映画『ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR』を検索してみた。著者によると、「暴走族ドキュメンタリー映画の金字塔」とのことだ。その監督が、『愛について、東京』の柳町光男だったのだ。しかもAmazon プライムビデオで配信されている。数年を経てここで繋がったかとなんだか感慨深くなった。

 もちろん、私以外の人間にはどうでもいい「関連」だ。柳町光男に興味をもっていればもっと早く観ていただろうし。だからこそ、自分があのときあの映画や本を観な/読まなければ、ここで繋がることもなかった…..と想像し、わくわくするのだ。自分の好奇心や興味をもつものは、思いがけないところで繋がる。『特攻服少女』だって、最近またヤンキーへの興味がかきたてられていなければ読まなかったかもしれないのだ。それぞれが相関している。読んだ本に影響を受け、関連するイベントに行ったり、新しい趣味を始めたりすることもあるだろう。読んだ/観た/聴いたものと現実は想像以上に互いに影響している。だから、それぞれ読んだ本や観た映画やアニメをたどれば、たぶんその人にしかないチャートになるのだ。そう考えることが好きだ。これは、私が映画を好きな理由の一つだと思う。他の趣味でもいいが、映画は映像、音楽、脚本とほかの分野に関連する要素が多いのだ。

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