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広告コピーや小説&音楽をつくります(雪国環奈のコピー書いてみた受賞,第54回北日本文学賞4次選考通過) YouTube→http://bit.ly/37vaw9N niconico→https://bit.ly/39y4CWX

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桜とくず/北日本文学賞4次選考通過作品

 桜とくず(約9000字,文庫本23p相当) ――昨日旦那と別れたんでしょ? 今日うち来るよね?  リビングにいる石本美咲は携帯電話をジーンズの尻ポケットにねじこんでから、キッチンに向かって声を上げた。 「ねえ佐々木、ちょっとちょっと」 「なにー?」  佐々木裕二がキッチンの下から首だけを出して、それにこたえた。 「このテレビさあ、どっちが買ったんだっけ?」 「さあ、どっちだっけ?」 「なにそれ。じゃあどっちが持っていく?」 「んー、どっちでも」  美咲の方を少しだけ見たあ

    • 楽曲制作のお仕事募集します

      はじめに こうやってわざわざ文章にするのもちょっと不思議な感覚なのですが、 これから楽曲制作のお仕事をぜひやってみたいと思っています。 駆け出しですので、一曲30000円〜お引き受けします 今まで作った曲は↓から聞けますのでよかったらぜひ聞いてみてください。 最新作 FRENZ2019においてミジンコ様の出展作品「あおい花」内で私が参加しているユニット"名古屋そういうとこある"の「かわいい名前で生きていたかった」という楽曲を使用していただきました。 制作楽曲一覧

      • どうして麒麟のお腹は赤いの?

        何年か前の夏、私はよく居酒屋で半分くらいビールが入ったグラスを見ていた。今思えば当時付き合っていた彼氏が大きく口を開けて、つまんないビジネスの話を嬉しそうに話している姿を見ていられなかったんだと思う。あと単純にガッツリ刈り上げたツーブロックも好きじゃなかった(付き合いたてはそうじゃなかったのに、夏直前に突然変えた) 彼氏がつまんないビジネスの話をするときは、適当に相槌を打ちながら、グラスにプリントされた麒麟の鱗を数えた。よく見えない足の毛も想像した。お腹はなんで赤いんだろう

        • 超短編小説(原稿用紙5枚)「私はツツジ」

          ファイルを整理してたら、だいぶ前に書いた短編が出てきた。 賞にも落ちちゃったやつだし供養も兼ねて。5分もあれば読めると思います。 それではどうぞ↓  青白い光に向かって芽生(めい)はつぶやく。 「おやすみなさい」  ひとりきりの部屋に、青白い携帯電話の光だけがきらきらしている。  はっきりとは覚えてないけれど、しっかり眠るためのおまじないのつもりで、眠れない夜はこうしてつぶやくようになった。  別に誰かにきいてほしいわけじゃないのに、そうやってつぶやいた次の朝はきまって

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        桜とくず/北日本文学賞4次選考通過作品

          お好み焼きが食べたくなる条件について

           今日はどこかでごはんを食べようってとき、もちろん何が食べたいかも大事だけど、私の場合は「タイム感」もけっこう大事なポイントだったりする。  たとえばお腹がすごく空いてるけど、疲れたし食べ終わったらはやく帰りたいなぁってときは麺類がいい、ラーメンとかうどんとか。ぱっと座って、ぱっと出てくる。おまけにするする入ってくる。気づいたら食べ終わってる。  とはいえ、いつも麺類だと飽きてくるし、なによりそういう「タイム感」じゃないときもある。タイム感。なんて言えばいいんだろう、お店の

          お好み焼きが食べたくなる条件について