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HEIWAの鐘

アウトローの次男が帰ってきた。
大学入学時から家を出て、そして就職したものの、石川、東京、山形と自分探しとやりたい事探す旅を続けた結果、もう少し貯金して長年の夢である海外に、どうしても行くという結果にたどりついたらしい。その為にしっかり苦手な英語をマスターしていた。
そんな息子は、春馬さんのキンキーブーツに共感し「あのテーマを理解できるなら、俺の事も理解できるできるんじゃない?」と言ってきた。

親の立場や感情としては、ごく一般的な道を歩んで欲しいと願っていたから、今に至るまでには壮絶ななドラマがあったし、今もそのドラマは、現在進行系だ。

その彼が今、ピアノを弾いている。

沖縄出身の仲里幸広さんの「HEIWAの鐘」
沖縄戦についての歌で、ご存じの方もおられるかもしれないが合唱曲で有名だ。ピアノをやり始めた大学生の頃に、どうしても弾きたかった曲らしい。
この曲は親子共々好きな曲で、やっぱり好みは似るのかなぁなんて思う。しばらく沖縄のバンドにハマっていた私は、沖縄自体にも強く惹かれていたから。

食事の準備中に流れてきたその曲は、以前の聴いた感じとは違い、とても感慨深かった。ただ弾いているのとは違う雰囲気が伝わってきた。

手を止めて
「やっぱりいいねぇ。その曲。沖縄出身の人が作ったと思うと、更に聴こえ方が変わるねぇ」
というと、
「俺もそう思う。本当に好き、この曲」
そう会話しながら、私は何故だかウルウルしていた。8月が近いからだろうか。

あの日を過ぎたら、すぐ8月だ。


親子共々に、気の利いたコメントはできないのだが、直感で「好き!」と思える事は、絶対に間違ってなくて、この先もこの「好き!」は続いていくのかな。なんて思った。

さあ、食事の支度に戻ろう。

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