『扉をさがす追憶』
累積した肌膚を
何処まで脱いだなら
満ち溢れる養分を
持て剰していた頃への遡及が
叶うのでしょうか
置き去りにした悔い
蓋をしたナマモノ
振り払ったのは手と視線
刻まれてゆく皺の溝に
刺青の如く彫られ消えない残像
そして偶像
戻れる手段など有りはしない
然れど夢を見る、もしも、などと
目の前に座するウンベラータの葉脈が
今日も瑞々しい熾烈を
まざまざと見せ付けてくるから
届かないと知りつつ、
それでも
届けたくて書き続けた文(ふみ)の束を
焼却するという選択肢は
いまも存在しないまま
※2024/4/26 Xでも投稿済
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