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館山の素敵すぎる珈琲屋さん「自家焙煎珈琲エスブリュート」

私は普段カフェの紹介記事などは書かないのですが、旅中にふらっと立ち寄った館山の珈琲屋さんが素敵すぎたので紹介します!

特に珈琲を自分で淹れてる人珈琲関係の職に就いてる人、珈琲好きの人などは、マスターの”珈琲愛”に感動するはず…!

ぜひ一度足を運んでみてください!

「エスブリュート」は普通のカフェとちょっと違う

カウンターに並ぶ珈琲豆と食器

館山の海のほうから、ODOYAというスーパーに向かう途中にある「エスブリュート」。

みなさんがなんとなくカフェに立ち寄るように、私もふらっと立ち寄りました。

それがきっかけで、記事を書くまで大好きな珈琲屋さんになってしまうとは…。自分でもびっくりです。
ここでは、私が普通のカフェとちょっと違うなと思ったポイントを3つ紹介します。

店員さんとのコミュニケーションが楽しい

珈琲を淹れるマスター

夫婦2人で切り盛りをしているエスブリュート。
柔らかい雰囲気で、たくさん珈琲の話をしてくださいます。

・どうやって珈琲を淹れているのか
・おいしい珈琲とはなにか
・どんな豆を使っているのか

などなど、自分が飲んでいる珈琲について知れるのはとても楽しいですね。

「こんなに会話を楽しめるカフェは珍しいな〜」と思っていたのですが、マスターの蝦名錦哉さんの話を聞いて納得。

カフェはただコーヒーを提供する場所ではなく、お客さんとの関係を築く場所お客さん同士をつなげてあげる場所でありたいと考えているんだとか。

これは、マスターの蝦名さんが南千住の「カフェ・バッハ」で修行をされていたときの師匠が大切にしていたことらしく。

この想いは、店名にも隠されています。
「エスブリュート」はドイツ語で、「〜を咲かせる」という意味で、
『笑顔の花を咲かせる、会話の花を咲かせる場所でありたい』
という想いが込められているそうです。(素敵…!)

珈琲だけで17種類のメニュー

☕️マークは1杯あたりの値段、🫘マークは豆100gあたりの値段です

私が最初に驚いたのが、こちらのメニュー。
なんと、珈琲だけで17種類もあります!
「浅煎り」「中煎り」「中深煎り」「深煎り」の中から選べ、浅煎りから深煎りにかけてどんどん酸味がなくなっていくイメージです。

私は浅煎り〜深煎りまでコンプリートしたのですが、微妙な酸味やコクの違いは、素人の私でもわかりました!

いつも珈琲にミルクを入れている私ですが、今回はブラックで飲んでしまいました。
いつもミルクやお砂糖を入れている方も、ぜひ一度ブラックで飲んでほしいほど、とてもおいしいですよ。

スイーツメニュー
注文したティラミスと珈琲

珈琲へのこだわりがもはや芸術レベル

みなさんにぜひ知ってほしいのが、マスターの珈琲へのこだわり。
とにかく、”珈琲愛”がすごいのです。
ここでは、マスター蝦名さんのこだわりを紹介します。

【①珈琲豆の選別】
おいしい珈琲づくりは、豆の選別から始まるんだとか。

取り寄せた豆をそのまま使うのではなく、手作業で欠けている豆や割れている豆をすべて取り除きます。(ハンドピック)
取り除かないと、雑味が出てしまうそうです。

瓶の中の珈琲豆を見せてもらったのですが、素人の私でもわかるくらい1粒1粒が本当にきれい。
考えるだけでも、ものすごい手間がかかっているだろうなと。

実際、夜中の3時ごろまで作業を行っていることがあるらしく。
毎日高品質な珈琲を提供するには、とんでもない覚悟が必要だなと。
プロを感じますね。

【②珈琲の淹れ方】
注文を受けてから珈琲を提供するまでにも、多くのこだわりが詰まっています。

注文後は、マスターの蝦名さんが丁寧に珈琲豆を挽いて、ハンドドリップで淹れてくれます。

お湯が沸いたらすぐにドリップするのではなく、1杯1杯温度計で測ってちょうどいい熱さになってから。
82〜83度を目安とし、焙煎度合いによって微調整しているそうです。

この温度で抽出をすると、飲むときにぬるいと感じる方がいるようで、サイフォン用のハロゲンヒーターで温めて直して提供します。

ここで豆知識!
粉のふちにお湯をかけると、珈琲が薄まってしまう原因に。お湯は内側だけにかけるのがいいそうです!

【③珈琲カップ】
珈琲へのこだわりは珈琲カップにも。

提供する珈琲ごとにカップを分けており、浅煎りから深煎りにかけて重厚感のあるコップを使用しています。

カップの素材や飲み口の厚さによっても、珈琲の感じ方が変わるのだとか。

こだわりやできあがるまでの過程を知ると、珈琲をより深く味わえます。

珈琲1杯に込められた想い

珈琲豆の焙煎から提供までを切り取っても、非常に手間がかかっていますよね。
そこで、私は1つの疑問が生まれました。
「なぜ、そんなにこだわる必要があるのか?」

利益や効率を追求すると、豆はできだけ全部使ったほうがいいですし、機械でも珈琲は淹れられますよね。

「なぜそこまでこだわっているのですか?」
という私の問いに対して、マスターの蝦名さんはこのように語っていました。

どれだけ忙しくても、コーヒー1杯1杯を丁寧に淹れる理由。
それは、珈琲豆を作ってくれている農家さんや、運搬にかかわっている人などの想いも込めて最高の1杯を提供したいから。

自身が珈琲好きでというだけではなく、珈琲ができあがるまでの過程やかかわっている人をも大切にしているんですね。

たくさんの方の血、汗、涙がこの珈琲1杯に詰まっていると思うと、より特別な1杯に感じます。

「エスブリュート」は珈琲のプロも訪れるカフェ

いい豆はお湯を入れると膨らむんだとか!

エスブリュートには、珈琲関係の仕事に就いている人も訪れるそうで。
たしかに、珈琲好きには堪らないこだわりがたくさん詰まっていました。

カフェに入る理由は「作業をしたいから」や「ゆっくり本を読みたいから」「なんとなく時間を潰したいから」など人それぞれです。

そんな中、エスブリュートは、”珈琲を飲む”という目的でお店に入ってもいいほど。

また館山を訪れたら、必ず行きたいカフェです。

蝦名錦哉さん・ゆりさんから読者の方へ

蝦名ゆりさんと蝦名錦哉さん

マスターの蝦名錦哉さん、奥さんのゆりさんから、読者の方へのメッセージをいただけたので紹介します。

【マスター蝦名錦哉さんからみなさんへ】
珈琲専門店ということで、敷居が高いと感じるかも知れませんが、引け目を感じる必要は一切ありませんので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
和気あいあいとしたアットホームな雰囲気で、お待ちしてます。

マスターの蝦名さんは、2011年の東日本大震災で職を失ったのをきっかけに大学生くらいのときから憧れのあった珈琲屋さんを始めることを決断しました。
昔からやるならとことんやりたい性格で、南千住にある「カフェ・バッハ」で修行します。修行期間は約5年にのぼり、その期間はアルバイトをして生計を立てていました。
そして2017年、館山に「エスブリュート」を開業し、今に至ります。

【奥さんの蝦名ゆりさんからみなさんへ】
さまざまな思いを持ってお店に来てくれているお客様もいらっしゃると思うので、1人1人に丁寧な接客を心がけて幸せな気持ちでお帰りになってもらえればいいかなと思います。ぜひ気軽に来ていただければと思います。

蝦名ゆりさんは元看護師さん。現在もパートの看護師をしながら、お店を支えています。
コロナ病棟に勤め、自身が思い描いていた看護師とのギャップを感じたのをきっかけに何かを変えたいと思うように。
そんなときに、エスブリュートを雑誌で知って、最初はお客さんとして訪問。
そこでマスターとの会話をきっかけに結婚し、現在はパートの看護師さんとして働きながらお店を支えています。

「エスブリュート」の営業時間・アクセス

・営業時間:13:00-19:00
・アクセス:〒294-0045 千葉県館山市北条1543-1
・Facebook:エスブリュート

珈琲愛とたくさんの想いが詰まったエスブリュート。
普段何気なく飲んでいた珈琲ですが、ほんのちょっとの豆の違いや淹れ方の違いで味が変わってしまうことを知り、とても奥深い飲みものだなと。
蝦名さん夫婦のお人柄もとても素敵で、ドアを開けた瞬間思わず「ただいま」と言いたくなるほど。
これを読んでいるみなさんにも、ぜひ訪れてみてほしいカフェです。

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