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らいか、ろーりんぐ、すとーん

社会のルールも、常識も、言葉も知らない、尖った岩のような存在。それが赤ん坊だ。でも社会と摩擦することで、世界と対話することで、丸みを帯びた石となる。らいか、ろーりんぐ、すとーん。うれしくも、はかない。

摩擦は両義的だ。擦り減ったスニーカーも、磨かれた革靴も。汚れちまった大人も、純粋無垢な赤ん坊も。社会との摩擦の中で生まれる。その影響は逃れえない。摩擦はないものとしない。

だから程よく削られたい。丸くはなれない。譲れない尖りだけは残したい。らいか、ろーりんぐ、すとーん。さまよいながら、川の途上で突き刺さって、死んで逝きたい。決して海には流されない。やや大きめの、赤ん坊より。

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