山元ハル

1999年、夏、静岡。詩を書いています。

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つくる、つながる、とどける

つくる。つくられたものを、ただ消費するのではなく、自分にしか生み出せないものを、つくりつづける存在でありたい。それは料理でも詩でも、笑顔でも雰囲気でも構わない。世界を変えるためではなく、世界に変えられないために。 つながる。つくりつづけた先に、つながりが待っている。生みの親としての不安や孤独、葛藤を、世界につなげたい。つながりをつくることが、つくりつづける熱を生み、つながりの連鎖を温める。今をつなぎ止めるために、未来につなぐために。 とどける。せっかくつくったものでも、と

    • 虚無

      しゃにむにいきて きょむになる はなからすって はいになる いのちがきれて うつになる こころがへって あさになる しゃにむにいきて きょむになる

      • 白昼夢

        希望という名の 列車にのって まだみぬ君へ 逢いにゆく 無謀という声 みな振りきって 夢のつづきを 抱きよせる 疾走していく 歪んだソウル 天空舞って あゝ消える

        • くそったれた世界

          くそったれた世界で 今日も颯爽と生きる 意味のない人生を 平気な顔して歩く 偽りの仮面をつけて 世界を礼賛しながら くそったれた世界で 今日も颯爽と生きる 永遠に消えない傷を 透明なプライドで隠す 夢見心地な日々と 悪夢のような朝と

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        つくる、つながる、とどける

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        • 詩のようなもの
          26本
        • エッセイたち
          12本

        記事

          残像

          今日も世界を駆け巡る 有象無象の残像 処方して摂取して 飛びついて跳ねられて 信じて疑って 飲み込んで吐き出して 本当に価値あるものってなんだ そんなのぼくにはわからない でも信じ続けていきたい そして疑い続けていきたい

          きまぐれにたゆたう まっしろの雲をさそって あどけない少女の まっかのスカートをさらって とろけてしまいそうな あなたの頬をなぞって ささやかにいとなむ 街と生活を破壊した 明日は今日の風が吹く 明日は今日の風が吹く

          バタートースト

          焦げてしまった バタートースト 甘くて苦くて 重なって 口の中で ほぐれるように 仄かな香りが 吹きぬける 焦げてしまった きみへの想い 甘くて苦くて 散らかって 頭の中で まとまるように 祈りの言葉が 舞いあがる

          バタートースト

          木漏れ日

          揺れる揺られる ひかりとこころ 君にあたって 透き通る 僕のからだに 乱反射して 木々にあたって 好き徹る

          木漏れ日

          願いごと

          心のない人間 文字のない便箋 遠くへ離れて消える そのままずっと届かない 君のいない夜 ただ寂しさが募る 夢で逢えたらいいな また眠れるといいな

          願いごと

          不規則なリズム

          不規則なリズムで 自然体なイズムをつくる ぼくらは代替品じゃない そうやって命を叫ぶ 神は言った 私を信じよと 仏は言った 己を信じよと 俺は笑った そしてすべて疑った 不規則なリズムで 自然体なイズムをつくる ぼくらは完成品じゃない そうやって愛を叫ぶ

          不規則なリズム

          玉虫色

          こっちをみて笑ってる 玉虫色のお面 どうして笑ってるの どうして泣いてるの したたる涙が つたっていく頬と ぷくぷく腫れた あつぼったい唇と ぴくぴく張りついた あがった口角 もういいよ 無理しないで 悪いのは あんたじゃないから

          インビジブル

          みえないものは わかりにくいから みえるものだけ しんじていきる それでもいつか いきがつまるから みえないものを かんじていたい からだはあるのに こころがない ぶきはあるのに ことばがない いきているのに そこにいない そんなせかいは もういらない

          インビジブル

          呼吸

          吸って吐いて 繰り返す お部屋のアロマも 排出ガスも 道行く人の 香水も 全てを閉じ込め 開け放つ お花の匂いも 誰かのオナラも 電車に漂う ため息も 吸って吐いて 繰り返す みえないものを 交換してる いきてるぼくら いきするぼくら

          言えなくて

          だいじなことは 言えなくて 空を見つめて 雲を吐く どうでもいいこと だけ言えて 空に向かって 唾を吐く シャワー浴びても 癒えなくて 排水溝に 溜まった言葉

          言えなくて

          無差別フルーツ

          緑になれない リンゴのように 赤にはなれない バナナたち どう足掻いても 他にはなれず なったつもりで みっともない その諦めこそ 希望の光 自分を照らす 思いやり

          無差別フルーツ

          微笑

          天国への片道切符 震える右手で握りしめる じゃあねと笑った過去たちが 痺れる脳裏で溢れだす よかったわるかった わるかったわかってた そんな記憶が巡る また血液は滞る やがて後悔は残る だが希望は滲む ふいに体温が下がる ふと最期に微笑む よかった