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違和感という錠剤

脳死しながら生きていると、自分に合ってるものだけ身につけ、自分が好んでるものだけ食べて、なんとなく生き延びてしまう。それは決して悪いことじゃないが、死というゴールに向かって、積極的惰性で突き進んでいるようなものだ、むなしい。

だから違和感という錠剤を、一日一錠は摂取する。体は痒くなるし、居心地は悪くなるが、自分がターンオーバーしている、そんな感覚だけが残る。だがオーバードーズしないよう、細心の注意だけは払う。

今日は道に迷った。でも迷わなきゃ気づけない、ありふれていて、気が狂うほど美しい、景色と出会えた。さて明日は、どんな道を迷おうか。人生に敷かれた一本道というレールから、そんな誰もが抱いてしまいがちな幻想から、いい加減にはみ出していきたい。どこへ辿り着こうとも。

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