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#あなたに出会えてよかった
恋をしている(前編)
大学に戻るまでの道すがら、クーラーボックスを持っていかなければならないので、少し集団から遅れた。中には水で薄めたスポーツドリンクが入っている。練習の合間にみんな飲んでいたけど、夏場ほど減らないから、帰りも持っていくのに苦労する。
ふと、数歩前をいく先輩の背中を見つめる。すらっと背が高くて、大きなその背中をしっかりと目で捉えながら、白い息を吐く。その息に紛らすように、好き、と呟いた。でも、その言
恋をしている(後編)
気分が滅入っていたのと、講義が休校になったのとで、お昼ご飯を一人で食べるはめになった。せっかくだからと、活動のとき以外はめったにいかないサークルの部室で食べることにした。
十階建ての建物の、九階へと向かう。大学の規模と相まって、サークルの数も多いため、たくさんの部屋が部室としてあてがわれている。
エレベーターが混んでいたので、わざわざ九階まで階段で上がっていくことにした。
気分とともに俯き