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産業保健師2年生~2023年の振り返り~

2024年、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。。。

!!?
なんと年が明けてから2週間も経過してしまいました。

2023年のうちに振り返り記事を投稿するつもりが、時間の流れは残酷ですね…今更ですが、産業保健師として2023年をどんな1年にできたか振り返ってみたいと思います。

2022年の夏に転職し産業保健師のキャリアがスタートしました。昨年は産業保健師2年生であり、会社でも産業保健が発足して2年目となりました。私がこの1年間何をやっていたかというと、間違いなく「健康診断の企画調整」これに尽きます。

ミッションは「健診受診率100%」

 お恥ずかしながら私の会社の健診受診率は90%台中ほどです。同規模の企業さんの話を伺うと(法律で定められているので当たり前といえば当たり前ですが)基本的に100%だそうです。
とはいえ私の会社では、産業保健体制がスタートするまでは人事の労務担当者が健診業務を担っており、それも多くの業務の傍ら行ってきました。200を超える拠点がある中で、年間の健診スケジュールを回すだけでも精一杯の状況だったそうです。人事異動も多い中で、また健康管理システムもない中で、健診未受診者を抽出し受診勧奨を行えるだけの余裕がありませんでした。また、会社風土としても昔ながらの気質が強く利益優先。健康経営も取得していなければ、健康への優先度はあまり高くありません。「健診は受けるもの」という認識が浸透していなかったのです。

 そんな中で、会社が産業保健体制を発足させて保健師が着任したことで私の職責職務は「健康診断の完遂」となりました。もちろん会社にとっても産業保健は初めて。期待するビジョンも不明確だったため「とりあえず健康のことだから保健師が健診業務をやって当然」と一任されてしまいました。しかし、いざ蓋を開けてみると、健診機関との調整からExcelでの受診管理など、事務作業ばかりの泥臭い業務でした(笑)そんな訳で私のメインミッションが「健康診断を100%受診させる」ということになりました。

 とはいえ、従業員数が数万といる中で1人で健康診断を完遂するのは至難の業です。そのためまずは、効率化と確実な受診管理をするために、企画と制度設計に注力しました。今までの運用方法を刷新して、より確実に受診を促せる方法に切り替えました。そのため保健指導などの個別支援は後回しになってしまいましたが、年間を通してブラッシュアップし、何とか現時点で昨年末の受診率に到達しました。正直1巡目なのでまだ完成には程遠いもののなんとか制度としては作り上げました。

産業保健スタートアップは石の上にも三年

 産業保健のスタートアップの中で私が学んだのは、初動のスピードよりも、社内の雰囲気や空気感をじっくり観察してから動き出すということ。昨年初頭の段階では、健診受診率の低さにかなり焦って、急ピッチで施策を展開してきましたが、その分社内の風当たりも強かったです。その結果、思うように昨年度末の受診率は高くならなかったのですが、昨年は1年かけて健診業務に従事することで、視野が広がったり、適切な介入ができるようになりました。「健康のことだから健診は保健師の仕事」と丸投げされたときには、これって保健師の仕事なのか?と不満を感じつつも、健診業務の全てに携われたことで分かったこともありました。とはいえ、専門性の低い業務は上手にかわしていく、引き渡していくのが今年の課題です。

行政→産業 保健指導に苦戦

昨年は運用のことばかりを考えて終わってしまいましたが、今年はいよいよ健診後の指導を中心にしていきたいと思います。今まで事後フォローが全くなかったため、血圧や血糖値など信じられない数値に直面しました。特に脳梗塞も数件発生してしまったので、しっかり重症化予防を行っていきたいと思います。しかし、産業における保健指導には特有の難しさがあると感じています。というのも行政保健師から産業保健師に転職して1番難しさを感じたのは対象者のノリです。
私が勤務していた自治体はとても小さな自治体で、対象者にも「保健師さん」という認識が浸透していました。
一方で現在の会社は「保健師…とは?」というところがスタートラインになります。中には、どうして職場で健康の事をとやかく言われなきゃいけないんだという方もいます。また、保健活動の場が【生活の場】から【仕事の場】に移行したので、何より業務が優先。時には、自分よりも職位が高い人にも指導をしなければならなかったり、行政時代は突っ込まれたことのないような質問も頂きます。時には「そんなことも知らないのか」と鼻で笑われることもありました。というわけで”知識武装”が必須だと感じました。今年こそは健診の事後指導を重点的に行っていきたいので、知識を深めながら頑張りたいと思います。

何よりも他社の保健師との繋がりに救われた

行政保健師との違いとして、もう一つ感じたのは教育体制の乏しさでした。私は一人職場なのでとにかく何をしたら良いのか分かりませんでした。また、自治体にいた頃は研修会の案内も都道府県が行ってくれていましたが、産業に来てからどのように研修の情報を集めたら良いかさえ分かりませんでした。
そんな中で産業保健総合支援センターの存在を知り、沢山研修会に出させてもらいました。そこで他社の保健師さんと知り合うことができ、本当にためにためになることを教えて頂きました。悩みを「うちもです~」と共有するだけでも元気になれました。さらに、その保健師さんたちが教えてくれた研修会に参加したり、初めての学会(静岡の産業看護学会)に参加したりして横のつながりを広げてきた1年でした。そう考えると、1年前の自分とは格段に成長できたと思います。横のつながりって本当に大切ですね。

2024年ももっと産業保健するぞ~!

今年から保健師が1人増えます。私もまだまだペーペーですが、一緒に頑張りたいと思います。
そして、このnoteを更新する頻度も増やして、noteの中でも産業看護に携わる方と出会えたら嬉しいです。
今年もよろしくお願いいたします!


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