Oh! Friends「ネバーランド」制作のお話
デビューシングル『ネバーランド』のMVがリリース!!
ありがとうございます!!ありがとうございます!!
このnoteで言いたいことは、最高なものができたのでとにかく観てください!ってことです(笑)。そんなわけでMVはこちら↓↓
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前回のnoteで、Oh! Friends結成の話を書いたが、今回はその続きのような位置付けだ。
2022年8月4日、Oh! Friendsとして初めてのスタジオに入る前、僕はベース&ドラムの2ピース編成でも似合いそうなリフを2つ用意していた。
後の『ネバーランド』と『マリア・ザ・ダンシング』である。
僕と工藤くんは、初スタジオから2ピースとしていける手応えを掴んでいた。何度かスタジオでアレンジを重ね、8月の下旬には2曲ともほぼ100%出来上がっていた。
※『マリア・ザ・ダンシング』については、どこかの機会でまた改めて書こうと思う
曲作り
バンドのデビュー曲は「自己紹介」でもある。初対面は第一印象が大事だとよく言うが、曲も同じだと思っているので、イントロにはかなり力を入れて作った。
僕らの名前は「Oh! Friends」ということ
本当にベースであの音を出していること
工藤くんのリズムが跳ねていること
2人のグルーヴが前へ前へロールすること などなど
我ながらOh! Friendsのエッセンスが詰まった、なかなかカッコいいイントロを作れたんじゃないかと思う。
歌詞は、数字じゃ測れない豊かさや理想ばかりを追い求めるが、現実を直視できない脆さを孕んだ、若者特有のモヤモヤや葛藤を描いた。
入学や入社してすぐ「思ってたのと違う」と、理想とのギャップに苦しむ五月病と同じで、自分や他人に期待し過ぎてしまい、リアリティショックを受けてメンタルをやられることがある(僕も期待しやすい性格からか、大学入学、最初の就職、恋愛などいろんな場面でそんな経験をした)。
そんなとき「あの頃は良かったなあ」なんてしみじみ振り返って、過去の美しい記憶にすがってしまったりする。記憶とは往々にして、真実よりも美しさや苦しさのような形容詞が際立つものだ。
多かれ少なかれ、現実に適応するよう自分を変える努力は必要なのだが、自分を変えることにも、今の自分を貫き通すことにも心が耐えられない。
そんな八方塞がりな状況に陥った若者を、歌詞に書いてみた。
※歌詞は各サブスクや、YouTubeの概要欄等で見ることができます。
レコーディング
レコーディングにあたって真っ先に声をかけたのは、人間椅子やVolcano等との仕事が有名なエンジニアの内藤 "Teru" 輝和さん。「こんな音にしたいんです」という要望をすごい速さで形にしてくれる超凄腕エンジニアだ。
内藤さんとはMELT4時代に何度もスタジオワークを共にしたため、信頼関係があった。工藤くんのコミュ力の高さも相まってスムーズなやり取りができたと思う。
レコーディングで何より信じられないのが、7時間で生ドラムを含む機材搬入からセッティング、2曲の全トラックのレコーディングと搬出、更にミックスダウンまでを終わらせるという異常にタイトなスケジュール。
もちろん駆け出しバンドでお金がないため、スタジオ代を抑えたいという背景もあるが、丸裸な剥き出しの音を録りたかったこともあり、あえて超タイトな時間を組んだ。
とはいえ”雑”な音源は作りたくないので、限られた時間の中でも音作りは丁寧に。録音は爆速で。2曲とも2.3テイクずつの一発録りで終わった。
工藤くんの演奏力はもちろんだが、内藤さんだからこそ実現できた、とてもクリエイティヴなレコーディングだったと思う。心から安心して背中を預けられるエンジニアと出会えたのは、幸せ以外の何物でもない。
ちなみに間奏等で随所に、BOSS Metal Zone(MT-2)の全ツマミをフルテンにしたトラックを収録している(例えば2:28あたりから奥の方で鳴っているリングモジュレータみたいな音がそれだ)。
パラデータの販売も視野に入れて動いているので、メタルゾーンのフルテンが気になる方は是非チェックしてみてほしい。
MV制作
MVはMETAL GATLANTIS映像部のMakoさんにお願いした。
工藤くんと僕もサポートで出演した夜もひとり『偽物ロック』のMVで、Makoさんと撮影を共にしていて、自分のバンドをやるなら1本目は彼にお願いしたいと考えていた。
年齢やシーンなど分け隔てなく、意見や要望を「まずは聴く」というMakoさんの姿勢には、本当に助けられた。何でもかんでも「いいですね」じゃなく、微妙なら安心して「微妙」と言い合える3人がチームになったからこそ、いいMVが作れたと思う。
イントロの字幕は、ドラマの登場人物紹介のイメージだ(当初、僕の中ではドラマ『花より男子2』の道明寺司のイメージだった笑)。結果的に似ても似つかないものになったが、カッコよかったのでノリで間奏にも入れてみた。
ところどころ挟まれている馬鹿デカ謎ズームは、Vulfpeckから得たアイデアだ。このMVを作る中で最も時間をかけたのは、実はこの謎ズーム。
謎ズーム自体に意味など一切ないのだが(笑)、意味のないことに3人の成人が「あーでもないこーでもない」と感覚的な試行錯誤を重ねる時間は、まさにプライスレス。
(おそらくどこにも応用できないであろう)謎ズームのセンスとスキルがどんどん磨かれていった。なんて遊びと笑いに満ちた豊かな時間だろう。
工藤くんとMakoさんとの編集中、「俺ずっとこういうバンドしたかったんすよね」という言葉が漏れた。とても自然に出てきた言葉だった。
このMV制作を通して、僕自身の中で分からなかったOh! Friendsの進むべき方向が、かなり明確になった気がする。
意味など求めずに好き勝手いっぱい遊べばいいのだ。
ただし、遊ぶからには野暮で中途半端なことはせず、心を込めてとことん真剣に。
これからも続くいいバンドになると思う。僕と工藤くんの音楽人生は、もっと豊かになると思う。
そんな可能性を見させてくれた、『ネバーランド』という曲に、そして内藤さんとMakoさんのお二方に、心から感謝申し上げたい。
ありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします!!
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