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婚活七福神~40女幸せ婚の叶え方~第19話 なんで今さら③


「だからこそ、わしが来たんや!!」


えび天はこぶしを握り締めながら立ち上がって私を見下ろした。


「えっと、どういうことですかね?」


わたしは努めて冷静に質問した。
ここで機嫌を損ねて振出しに戻る訳にはいかない。



もうすでに夜中の1時を回っている。
いい加減このあほらしい問答を終わらせて、
布団の中で眠りたい。



「自分の婚活はまだ終わっとらん。
だから、わしが来たんや」


「いや、終わってないって、なんでですか。
やってたわたしがもういいって言ってんだから
いいじゃないですか」


成婚料をぼったくりたい仲人じゃあるまいし、
なんでやめたことをまたやらせようとするかな。
本人がもうやめると思ったら、そこが終着点でしょ。


「あ、婚活七福神としてのご利益をあげたいとかですか?
だったら、今現役で婚活してる人のところに行けばいいじゃないですか。
てか、それが普通でしょ」


「それができたら苦労せんわ!
わしらのとこに参拝に来る人間は、近所の年寄りばっかりで
婚活しとる奴はびた一文来おへんのじゃ!……はっ!!」


唾を飛ばしながら叫んだえび天は、わざとらしいくらい目を見開いて口を押えた。


「ああ、やっぱりそういうことですか。
なら、なおさらお引き取りを……」


ああ、やっと眠れると安堵しかけたわたしに
なぜかえび天は勿体ぶった視線を投げかけた。


「……ほんとにええんか?
わしを追い出したら、自分、一生夢を叶えられへんで」


「だから、結婚はもう別に……」


「そっちの夢やあらへん」


「そっちの夢じゃないって……」


「作家。なりたいんやろ?」



つづく



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