花組『アルカンシェル』の感想6

 今日も『アルカンシェル』を見てきました。すごくすごくよかったです。

 とくに最初の『たゆたえども沈まず』。
 消え入りそうな声で歌い始めたマルセルが、最後は力強く歌声を響かせるところ。
 軍人でもなんでもない普通の人が発揮する、大切なものを守りたいがための強さが伝わってきて、本当によかったです。
 強さだけじゃなく、打ちのめされて弱っているところや、前を向こうとする心の動きも繊細に表現されているから、すごく、人間の強さだな、と感じました。
 
 カトリーヌが慰問でマルセルと別れたあとに歌うときも、悲しそうなのに最後は力強く歌ってて……。
 この二人、本当はぜんぜん強い人じゃないのに、大切なものを守りたい気持ちがすごく強いから頑張っている、というところが一緒で、本当に好きです。

 最初の「ヌーヴェル・アルカンシェル」の、どんどん先に歩いていっちゃうマルセルの希望に満ちた感じもすごく好きだし、最後の、いろんな思いがいっぱい滲んだ「たゆたえども沈まず」は、聞いているこちらの胸の内まで、いろんな思いでいっぱいになりました。

 あと、いろんな人の台詞がすごく自然で、物語の流れや作品世界のリアリティがすんなりと感じられて楽しかったです。日常の一場面を見せてもらっている感じでした。

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