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夜行列車復活案03「サンライズくろしお・こうのとり」


はじめに

 私は,従来は直通で行けなかった地域へ直通で行けるようにすることで,大都市圏と地方都市の交流を深めるような寝台特急列車を新たに整備するべきである,という立場に立っている.この立場から,上記のように,大阪~新潟,東京~東紀州・飛騨の寝台特急が新たにできればと考えている.これらの列車の設定案の骨子は以下のとおりである.

  • 3大都市圏と地方都市,あるいは3大都市圏同士を結ぶこと.

  • 現在,都市間の移動に新幹線と在来線特急を乗り継がなければならないこと.

  • 飛行機との競争で不利にならないこと.

  • ビジネスと観光の双方に役立つこと.

 これらの条件を満たす区間はほかにもある.そのうちのひとつが,今回提案する「東京~紀州・北近畿」の区間である.

路線図

時刻表

下り

東京2300→横浜2325→熱海025→沼津040→草津445→京都505(切り離し)

京都510→新大阪535→大阪540→天王寺600→日根野625→和歌山645→海南655→御坊730→紀伊田辺800→白浜810→周参見830→串本905→古座915→太地935→紀伊勝浦945→新宮1000

京都515→新大阪540→大阪545→宝塚610→三田620→篠山口650→柏原715→福知山735→和田山800→八鹿810→江原820→豊岡830→城崎温泉840

上り

城崎温泉2035→豊岡2045→江原2055→八鹿2105→和田山2115→福知山2140→柏原2200→篠山口2225→三田2255→宝塚2305→大阪2330→新大阪2335→京都2400(連結)

新宮1915→紀伊勝浦1930→太地1940→古座2000→串本2010→周参見2045→白浜2105→紀伊田辺2115→御坊2145→海南2220→和歌山2230→日根野2250→天王寺2315→大阪2335→新大阪2340→京都005(連結)

京都010→草津035→沼津445→熱海500→横浜600→東京625

※連結・切り離し作業を京都駅で行っているのは配線の都合である.

メリット

サンライズくろしお

 「サンライズ南紀」の話とも共通するが,現在,東京~新宮の移動にはどうあがいても5時間かかってしまうのに,夜行で行けるのはバスのみである.三重県を経由するよりは時間がかかってしまうが,それでも白浜や串本,勝浦など和歌山県の主要な観光地にダイレクトにアクセスできる点でこちらの「サンライズくろしお」も有効である.

 実際,東京から朝一番の飛行機で南紀に向かった場合,南紀白浜空港には朝8時半に到着できる.白浜の着時刻こそこの列車と変わらないが,そこから路線バスなどでほかの観光地に向かおうとしたらどうあがいても昼前になってしまう.

 また,「サンライズくろしお」は天王寺を通り,日根野で関空方面とも連絡するので,大阪のミナミに乗り換えなしで行きたい場合や,朝一番に関空発の飛行機を利用したい場合にも便利である.

 関西の区間内でこの列車を用いる利点もある.現在,始発の特急で大阪を出発しても,白浜に10時過ぎ,新宮には正午に到着することになる.早起きをすれば,これより早い時間に京阪神地域を発つことができるため,とくに南紀方面であれば効果は絶大だろう.

 上りに関しても同様のことが言える.新宮を夕方5時半に出発しないと大阪まで戻れないし,航空機利用で東京に戻ろうにも,白浜発は夕方6時半,新宮発に至ってはまだ明るい午後3時発になってしまう.これらを解消する必要があるがための「サンライズくろしお」である.

サンライズこうのとり

 北近畿と東京・大阪のアクセスもあまりよいものとは言えない.現状,特急「こうのとり」を利用しても大阪から福知山まで1時間40分,豊岡まで2時間半を要する.東京からとなるとこれらの都市にはゆうに4時間から5時間かけて移動することとなる.そのうえ,空港も但馬空港しかなく,同地域の人々が空路を利用するとなるとどうあがいても伊丹か関空へ向かうことになる.空路利用は特に丹波地域においては現実的でないのだ.

 また,現状京都・大阪から特急「きのさき」や「こうのとり」で向かったとしても,豊岡着は10時を回ってしまう.

 この事情を改善するのが「サンライズこうのとり」で,関西地区内での始発と東京からの夜行便の双方を兼ね備える.現状のアクセスよりも大幅に早い時間に北近畿までたどり着けるので,同地域のビジネスや観光の振興につながるのは間違いないだろう.

 上り便に関しても同様の事情がいえる.ただ,ここで注目すべきは三田や宝塚から上れるため,大阪で働いており,JR宝塚線沿線に在住するビジネスマンが東京での朝一番の会議に出席しやすくなることにある.

 

 

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