ひぐらし

 ひぐらしのように僕はここに啼声をあげる。風情なき、断末魔の鳴き声。
理解能はぬ、ひぐらしの僕の戯言。
「もっとわかりやすく、カッコつけないで書いてくれ。」
「ひぐらしはひぐらしの絶望を最も適切に、必死に表現しているのです。誰がわかってもらいたくないなどと思いますか?風情なんてあなた方人間の勝手な解釈です!私達はいつも、いつもいつもいつもいつもいつもいつも、訴えてきました。『夏が終わる‼︎死にたくないっ!死にたくないっ!死にたくないよっ‼︎』と。情趣などと恣意的に捉え、理解しようとしなかったのはあなた達人間です。」

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